『罪の余白』【1/9~】

2015/10/13

事件か、事故か。
死んだ娘の親友悪魔でした。

原作は第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞した芦沢央のデビュー作「罪の余白」(角川文庫刊)。「この著者の只事ではないエネルギーを感じた」と審査員たちを唸らせ、文学界に新たな挑戦状を叩きつけた衝撃のサスペンス小説である。そんな問題作に挑むのは、『スープ〜生まれ変わりの物語〜』(12)、日仏合作映画『FLARE〜フレア〜』(14)などを手掛けてきた大塚祐吉監督。原作で仕掛けられている多数の罠を、大塚ワールドならではの映像に落とし込み、見事に一級のサスペンスに仕上げた。

主演の行動心理学者の父・安藤聡役には内野聖陽。娘をなくし復讐に燃え暴走していく父親を狂気の中で演じ切る。国民的人気ドラマ「JIN-仁-」(TBS/09,11)、大ヒット映画『臨場 劇場版』(12)などで演じるキャラクターがそのまま代名詞となるほどの名演技を世に送り出す、日本映画界きっての存在感抜群の内野が新境地に挑む。そんな実力派俳優と対峙するのは、ドラマ「アイム・ホーム」(EX/15)、「表参道高校合唱部!」(TBS/15)などで活躍がめざましい若手女優吉本実憂。天使と悪魔を使い分ける度肝を抜く演技力で大抜擢された。

そんな二人が、父の狂気へと走る心と、女子高生の悪意をサスペンスフルに演じ、追いつめ、追いつめられる究極の心理戦を繰り広げる。 被害者の家族VS加害者の対決という、罪の概念を打ち砕く、驚愕の心理サスペンスが誕生した。

【ストーリー】

なぜ娘は死んだのか?真実は娘の遺した「日記」に―
名門女子校で、一人の少女が教室のベランダから転落して死亡した。
目撃したクラスメートたちの証言によると、少女自らが手すりに登り、突然飛び降りたという。妻に先立たれ父娘二人で仲睦まじく生きてきたつもりの父・安藤聡にとって、娘・加奈の死は受け止められるはずのない現実だった。

なぜ娘は死んだのか。自殺か?事故か?

大学で行動心理学を教える安藤は、加奈の異変に気づけなかった自分を責める。そんな折、娘の死に涙する笹川と名乗る美しいクラスメートが現れ、加奈が日記をつけていたことを知る。娘が遺した日記には、咲という少女に追い込まれていく加奈の悲痛な叫びが刻まれていた。

安藤は、咲の手掛かりを掴むために、笹川に会いに学校へ行く。だが目の前に現れたのは、全く別の少女だった。あの日、安藤を訪ねてきた笹川と名乗る少女が、実は娘の日記に書かれていた咲と同一人物だったのだ。生徒たちの憧れの的であり、教師からの信頼も厚く、スクールカーストの頂点に君臨する美しい木場咲。だがそれは表の顔で、裏の顔は友人だけでなく教師や警察の心までも狡猾に操る残忍な悪魔だった。自らの罪を隠蔽するため、安藤を罠に陥れようとしていたのだ。ことの真相を知った安藤は咲に復讐を誓う。
「刑務所にぶちこんでやる!」

だが安藤が咲に罪を認めさせようとすればするほど、逆に彼女の策略にはまっていく。娘だけでなく、地位ある仕事、社会的信頼を失い、安藤は次第に追いつめられていき――。

poster2 (4)2015年/日本 /120分

監督:大塚祐吉
出演:内野聖陽/吉本実憂/谷村美月/葵わかな/宇野愛海 他
配給:ファントム・フィルム

上映場所  ソレイユ・2(地下)
上映期間  1/9(土)~1/22(金)
 1/9(土)~1/15(金)  ①13:35 ②20:25(レイト)
 1/16(土)~1/22(金)  時間未定

[margin_5t](C)2015「罪の余白」フィルムパートナーズ

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