イラク戦争が長期化する2005年・アメリカで、
“生きる”ために海兵隊へ志願した青年・フレンチ。
監督自身の体験を描き、世界で絶賛された心揺さぶる実話。
『ムーンライト』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』ほか、革新的な作品を次々と送り出してきた映画会社A24。業界屈指の目利きたちが次に見出したのは、ある新鋭監督の実話だった。海兵隊在職中に映像記録担当としてキャリアを始めたエレガンス・ブラットン監督の長編デビューとなった本作。主演を務めたジェレミー・ポープがゴールデングローブ賞で主演男優賞(映画・ドラマ部門)にノミネートされたほか、世界各国で高く評価された。
STORY
ゲイであることで母に捨てられ、16歳から10年間ホームレス生活を送っていた青年・フレンチ(ジェレミー・ポープ)。どこにも居場所を許されず、自らの存在意義を追い求める彼は、生きるためのたったひとつの選択肢と信じて海兵隊への入隊を志願する。だが、訓練初日から教官の過酷なしごきに遭い、さらにゲイであることが周囲に知れ渡るや否や激しい差別にさらされてしまう……。理不尽な日々に幾度も心が折れそうになりながらもその都度自らを奮い立たせ、毅然と暴力と憎悪に立ち向かうフレンチ。僕が僕のままで在るために、自分の意志でここに居る――。孤立を恐れず、同時に決して他者を見限らない彼の信念は、徐々に周囲の意識を変えていく。