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『プーチンより愛を込めて』【7/21~】

2023/05/14

ロシア、終わりの始まり
我々はいま歴史の目撃者となる

ロシア連邦初代大統領ボリス・エリツィンの後を継ぎ、2000年に第2代大統領に就任したウラジーミル・プーチン。当時の憲法上の制限から2期で退いたものの、2012年の大統領選で復帰。実質的に、プーチン政権は20年以上にわたり続いている。プーチンはいかにして権力を握り、現在の統治国家を築き上げたのか。

ヴィタリー・マンスキー監督は、引退を宣言したエリツィンの指名を受け1999年12月31日、プーチンが大統領代行に就任してからの1年間を追った貴重な映像を編集して、1本のドキュメンタリー『プーチンより愛を込めて』を完成させた。本作に使用されている映像は、すべて、ウクライナ出身のマンスキー監督が国立テレビチャンネルのドキュメンタリー映画部の部長だった時に監督自身が撮った素材で、ほとんどが未公開だったもの。2014年3月にロシアによるクリミア併合のプロセスが始まった時に、監督はロシアを捨て、ラトビアに移住し、本作の素材の権利処理や編集を始めた。現在ロシアでは監督に逮捕令状が出されていて、ロシアに一歩足を踏み入れたら逮捕されるという状況の中、日本での公開が決まった。

大統領選挙活動では控えめな印象のプーチンだが、徐々にベールの奥に隠されていた本性が見えてくる。その過程はまさに心理スリラーの様相。自身の後継者としてプーチンを20人の候補者から選んだエリツィンだが、やがて自分が利用されていることに気が付き、丸1年後の自宅でのインタビューでは、プーチンについて「赤」と断言するまでに……。

大統領就任後、第二次チェチェン紛争、五輪のドーピング、ウクライナ侵攻が始まったほか、プーチンに逆らった人々の亡命、投獄、死もあった。今だからこそ新たに気づくことがある、若き日のプーチンを映した、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞受賞作。

STORY

1999年12月31日、この日、ロシア連邦初代大統領ボリス・エリツィンが辞任した。彼は自身の後継者としてウラジーミル・プーチンを指名、3ヶ月後に行われる大統領選挙までの間、ロシアの新しい憲法、国旗は若き指導者に引き継がれた。ヴィタリー・マンスキー監督は、大統領選挙への出馬表明をせず、公約を発表しないまま、名目は違えど“選挙運動”を展開するプーチンの姿を記録していく。ロシア各地へ足を運び、諸問題の解決、第一次チェチェン紛争の"英雄"たちへの慰問や恩師との再会を"演出"したプーチンのPRチームは、国民が抱く彼のイメージを「強硬」から「親身」へと変化させる。
マンスキー監督は、ソ連時代の旗や国歌が使用されていることに不安を覚え、プーチンに直接斬り込んでいく。2000年3月26日の開票日当日と2000年の大晦日の、エリツィン元大統領の自宅での貴重映像を辿ることで、プーチンの本当の姿が炙り出されていく。

 

2018年/ラトビア・スイス・チェコ・ロシア・ドイツ・フランス合作/102分
監督:ビタリー・マンスキー
原題:Putin's Witnesses
出演:ビタリー・マンスキー/ウラジーミル・プーチン/ミハイル・ゴルバチョフ/ボリス・エリツィン/他
配給:NEGA

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 7/21(金)~7/27(木)
7/21(金)~7/27(木) ①9:00 ②17:15

(C)Vertov, GoldenEggProduction, Hypermarket Film-ZDF/Arte, RTS/SRG, Czech Television2018

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