暴力と、セックスと、協会の欺瞞を挑発多的に描く
ポール・ヴァーホーベン監督最新作
『エル ELLE』の次にヴァーホーベンが題材に選んだのは17世紀に実在した修道女の裁判記録。幼い頃からキリストのビジョンを見続け、聖痕や奇蹟を起こし民衆から崇められた一方、同性愛の罪で裁判にかけられたベネデッタ・カルリーニ。男性が支配する時代に権力を手にした彼女がおこした奇蹟は本物か、はたまた狂言か。彼女に翻弄される人々を描いた奇想天外セクシュアル・サスペンスが完成した。主演は『エル ELLE』にも出演しているヴィルジニー・エフィラ。更に世界的大女優シャーロット・ランプリングがベネデッタに疑惑の目を向ける修道院長を演じ「この映画に出演しない理由が見当たらない」と出演理由を述べている。
STORY
17世紀イタリア。幼い頃から聖母マリアと対話し奇蹟を起こす少女とされていたベネデッタは6歳で修道院に入る。純粋無垢なまま成人したベネデッタは、ある日修道院に逃げ込んできた若い女性を助ける。様々な心情が絡み合い2人は秘密の関係を深めるが、同時期にベネデッタが聖痕を受け、イエスに娶られたとみなされ新しい修道院長に就任したことで周囲に波紋が広がる。民衆には聖女と崇められ権力を手にしたベネデッタだったが、彼女に疑惑と嫉妬の目を向けた修道女の身に耐えがたい悲劇が起こる。そして、ペスト流行にベネデッタを糾弾する教皇大使の来訪が重なり、町全体に更なる混乱と騒動が降りかかろうとしていた…。