北に潜入した工作員が見た、北の真実と祖国の闇とは?
歴史の裏側が今、暴かれる---!
歴史の影に隠された実話にスポットライトをあて、日本でも大ヒットを記録した、『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『1987、ある闘いの真実』。その“衝撃”の系譜を引き継ぐ問題作が新たに完成した。
今度の“史実”の主役は、北への潜入捜査を命じられた南のスパイ、黒金星(ブラック・ヴィーナス)。韓国のスパイ史上最も成功した対北工作員として、歴史に稀有なる爪あとを残した彼の想像を絶する工作活動の実態を描くと共に、地球上で唯一、一つの民族が冷戦中である国の裏の裏の裏を暴く。
1992年、北朝鮮の核開発をめぐって朝鮮半島に緊張が走るなか、軍人のパク・ソギョンは、工作員として北へ潜入せよとの命令を受ける。コードネームは黒金星(ブラック・ヴィーナス)、たった一つのミスで命を失う危険な任務の始まりだ。事業家に扮しての3年間に及ぶ慎重な工作活動が実を結び、北朝鮮の対外交渉を一手に握るリ・ミョンウン所長の信頼を獲得したパクは、遂に最高権力者である金正日(キム・ジョンイル)に接見する。しかし1997年、韓国の大統領選挙における祖国と北の裏取引によって、人生のすべてを捧げた工作活動が無になることを知るパク。果たして彼は祖国を裏切るのか、祖国が彼を切り捨てるのか。それとも、北がパクの正体を見破るのか---?
頭脳と心理を駆使した騙し合い---実力派俳優による迫真の競演!
家族と離れ、過去を捨て、工作員として国に人生を差し出した黒金星(ブラック・ヴィーナス)=パク・ソギョンを演じるのは、『哭声/コクソン』のファン・ジョンミン。厳しく警戒しながらも、やがてパク・ソギョンを事業家として信頼するようになる朝鮮民主主義人民共和国の対外経済委員会・所長のリ・ミョンウンには、『リアル』のイ・ソンミン。黒金星の上官として彼に非情な指令を出す韓国国家安全企画部・室長のチェ・ハクソンには、『お嬢さん』のチョ・ジヌン。黒金星に疑惑の目を向ける朝鮮民主主義人民共和国国家安全保衛部・課長チョン・ムテクには、『背徳の王宮』のチュ・ジフン。韓国でも突出した実力派俳優たちが、眼差し一つ、呼吸一つで相手の正体を見破ろうと執拗に疑い続ける北の上層部と、それを上まわるべくフェイクを仕掛け続ける南側の心理戦を、圧倒的な存在感と緻密なメゾットで演じきり、釜日映画賞、大鐘賞映画祭を始めとする数々の賞を受賞、本年度の賞レースを制圧した。
監督は、社会派からアクション、歴史劇まで多彩なエンターテイメントで高い人気を誇る、『群盗』、『悪いやつら』のユン・ジョンピン。デビュー作の『許されざるもの』がカンヌ国際映画祭“ある視点”部門に招待されて注目を集め、本作でも同映画祭ミッドナイトスクリーニングに公式招待され、国際的にも評価されている。
幾重にも張り巡らされた罠にかかり、工作員が次々と無残な死を遂げた時代に、いったいどうやって黒金星(ブラック・ヴィーナス)は北の中枢へと踏み込むことが出来たのか?尾行、盗聴、自白剤を打たれての尋問を突破し、右か左か、裏か表か、究極の選択がエンドレスに続く実在のスパイの緊迫した工作活動と、愛する祖国の闇を知り苦悩する姿を描く、実話に基づく驚愕のサスペンス・ドラマ。私たちがニュースで見ていた事件にも、〈裏の真実〉があったのかもしれない---。