暗闇の中のぬくもり。初めて知る街の影。
少女が見ている世界を見事に描き出した、
セリーヌ&ローガン監督の鮮烈な長編デビュー作。
「その場所に子供はいない。5歳くらいの大人はいるけどな。」
本作の原案となった実在した地下コミュニティへの潜入記「モグラびと ニューヨーク地下生活者たち」の印象的な一文の引用から始まる本作は、社会に疎外された人々の過酷な現実の中で愛が光を放つ感動作。
監督・脚本は、短編映画『Caroline』がカンヌ国際映画祭で注目を浴び、アンソロジー・テレビドラマシリーズ「モダン・ラブ」の1篇を手掛けたセリーヌ・ヘルド&ローガン・ジョージ。長編デビューの本作は、その才能を認めた複数の製作会社が共同でプロデュース。数々の国際映画祭で絶賛されたのち、“今こそ観るべき1本”として2022年3月に満を持して全米公開された。
セリーヌ監督自身がニッキーを演じ、リトル役には新星ザイラ・ファーマーを抜擢。地上へと懸命に手を伸ばしながら、さまよう母娘の姿から一瞬たりとも目が離せない。
地下鉄の廃トンネルで育ったリトルは、まだ夜空を知らない
N.Y.の地下鉄のさらに下に広がる暗い迷宮のような空間で、ギリギリの生活を送っているコミュニティがあった。
ある日、不法住居者を排除しようと市の職員たちがやってくる。隠れてやり過ごすことができないと判断したニッキーは、5歳の娘リトルを連れて地上へと逃げ出すことを決意する。
初めて外の世界を体験するリトルは、眩いばかりの喧騒の中で、夜空にまだ見ぬ星を探し続ける。
N.Y.の街で追い詰められていく母娘に、希望の光は降り注ぐのだろうか---。