あの瞬間が、あの感情が、4Kレストアで鮮明に蘇る。
新たに出会い直す5つの美しき世界。
第53回カンヌ国際映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞を獲得し、ウォン・カーウァイ監督の代表作となった『花様年華』(00)。その制作20周年を記念し、監督自らの手により過去作を4Kレストアするプロジェクトが実施。その中より、珠玉の5作がスクリーンに帰ってくる。
ウォン・カーウァイ監督は、新たな上映素材について「『恋する惑星』と『花様年華』は私のお気に入りのアスペクト比1.66:1で撮影され劇場公開されましたが、ビデオ化の際に1.85:1に修正されました。そこで今回のレストアでは元のアスペクト比に戻しました。『天使の涙』は、元々意図していたスコープサイズに変更しています。当時はスタンダード画面で撮影したものをワイド画面に編集することは不可能でしたが、今回のレストアで実現することができました。また、『恋する惑星』は公開当時5.1chが存在しなかったため、今回5.1ch音声を再構成。『花様年華』もリミックスしています」と、画面サイズや音声の修復についてこだわりを明かしている。
ウォン・カーウァイ監督×撮影監督クリストファー・ドイルの名コンビが生み出す映像は、それまでのアジア映画のイメージを一新。90年代に日本で巻き起こったミニシアターブームを牽引する存在となり、そのスタイリッシュな映像と世界観は今もなお多くのクリエイターに影響を与え続けている。
そして今、ウォン・カーウァイ監督作が《時》を真空に閉じ込めたまま、さらなる吸引力を以って蘇る。恋は鮮やかに目の前を彩り、ふたたび心奪うだろう。
STORY---ふたりの警官の失恋と、すれ違う恋模様
刑事223号は、別れた恋人が好きだったパイナップルの缶詰を買い続けていた。だが、彼女を忘れるため、バーの片隅で出会った金髪の女性に声をかけて一夜を過ごすことになる。その頃、刑事223号もよく立ち寄る小食店に新しい店員が入ってくる。新入りのフェイは、夜食を買いに来た警官663号に恋心を抱き、偶然手に入れた彼の家の鍵で部屋に忍び込み……。
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