韓国で暮らす3万3000人の脱北者たち。
たどり着いた先に、希望はあるのか。
韓国、ソウル。ひとりの女が小さなアパートに辿り着いた。脱北者、リ・ジナ。休む間もなく食堂で働き出した彼女は、中国に残した父を呼び寄せるためにより多くのお金を稼ごうと、清掃の仕事を掛け持ちすることにした。そこは、館長とトレーナーのテスが2人で切り盛りするボクシングジムで、悲惨な過去と怒りを抱えて壁を作るジナに、2人は静かに燃えるファイティングスピリットを感じ取る。グローブを渡されたジナは、次第にボクシングの世界にのめり込んでいくのだった---。
監督のユン・ジェホは、カンヌ国際映画祭に出品されたドキュメンタリー『マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白』で世界に衝撃を与え、その経験を基に本作を作り上げた。1ヶ月半のボクシング特訓を経てヒロインのジナを演じ切ったのは、大ヒットドラマ「愛の不時着」でも印象を残したイム・ソンミ。