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©2019「最初の晩餐」製作委員会

『最初の晩餐』【3/13~】

2020/01/08

2018年/日本/127分
監督:常盤司郎
出演:染谷将太/戸田恵梨香/窪塚洋介/斉藤由貴/他
配給:KADOKAWA

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 3/13(金)~3/26(木)
3/13(金)~3/19(木) ①9:40 ②16:40
3/20(金)~3/26(木) ①13:50

染谷将太、戸田恵梨香、窪塚洋介、斉藤由貴、永瀬正敏
日本映画界の実力派が夢の競演!

構想7年の渾身の脚本には、豪華キャスト陣が結集し、見事なアンサンブルを奏でる。主人公・麟太郎役はヴェネチア国際映画祭で日本人初となるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した『ヒミズ』(11)を始め、幅広い作品で多彩な顔を演じ分ける実力派・染谷将太。仕事に悩み、家族への持て余した感情を抱きながらも、抑えた表情で演じた。

その姉・美也子役には2019年後期NHK連続テレビ小説「スカーレット」でヒロインを務める戸田恵梨香。ある事件をきっかけに、家族の元を離れ、15年ぶりに姿を見せる兄シュン役にはマーティン・スコセッシ監督の『Silence-沈黙-』(17)の窪塚洋介。さらに円熟味を増したベテラン斉藤由貴、日本映画界を代表する名優・永瀬正敏が、両親役で圧倒的な存在感を見せる。

また、新海誠監督の最新アニメ『天気の子』のヒロインの声に抜擢された森七菜や白石晃士監督最新作『地獄少女』(11月15日公開)でメインキャストに抜擢された楽駆を始めとする、若手の瑞々しい演技も注目だ。

監督と脚本を手掛けるのは、サザンオールスターズのドキュメンタリー映画をはじめとし、コマーシャル、ミュージックビデオなど様々な分野で高く評価される常盤司郎監督。短編映画でも国際的な評価を受けてきた。本作が満を持しての長編映画デビュー作となる。

この才能を後押ししようと、『HANA-BI』(98)の撮影・山本英夫らベテラン映画陣がバックアップ。常盤監督のキャストの内面を引き出す粘り強い演出、小津安二郎監督作品を思わせるロー・アングルの構築美。さらには、もう一度“家族になる瞬間”を、通夜から葬式にかけて、たった1日で物語を紡いた構成力には、新たな才能の登場を感じずにはいられない。

古くは伊丹十三監督の『お葬式』(84)から、『死ぬまでにしたい10のこと』(03)『エンディングノート』(11)『おみおくりの作法』(13)など終活、生き方への注目が集まる中、新たな〈おみおくりの物語〉が誕生した。

忘れられない味で僕らはもう一度、家族になった。

独立して2年目となるカメラマン、東麟太郎(染谷将太)は、姉の美也子(戸田恵梨香)とともに薄暗い病院の食堂で、麺がのびきったラーメンを食べている。

「親父が死んだ……。65歳になる直前の、夏至の日の明け方だった」

久しぶりに故郷に帰ってきた麟太郎は病室で亡き父・日登志(永瀬正敏)と対面し、葬儀の準備をしながら、ありし日の家族を思い出す。
通夜の準備が進む実家の縁側で、麟太郎がつまらなそうにタバコを吸っていると、居間では、ちょっとした騒動が起きていた。通夜ぶるまいの弁当を、母・アキコ(斉藤由貴)が勝手にキャンセルしていたのだ。なにもないテーブルを見つめて戸惑う親戚たち。母は自分で作るという。それが父の遺言だ、と。やがて最初の料理が運ばれてくると、通夜の席はまた、ざわつき出した。母が盆で運んできた料理は目玉焼きだった。

戸惑いながらも、箸をつける麟太郎。目玉焼きの裏面を摘む。ハムにしてはやけに薄く、カリカリしている。

「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」

登山家だった父・日登志と母・アキコは再婚同士で、20年前に家族となった。麟太郎(外川燎)が7歳、美也子(森七菜)が11歳の夏だった。 新しく母となったアキコには、17歳になるシュン(楽駆)という男の子がいた。

5人はギクシャクしながらも、何気ない日常を積み重ね、気持ちを少しずつ手繰り寄せ、お互いにちょっとだけ妥協し、家族として、暮らしはじめていた。 それは平凡だけど、穏やかな日々だった。

しかし、1本の電話が、まるで1滴の染みが広がるように、この家族を変えていく……。そして兄のシュンは、父と2人で山登りへ行った翌日、自分の22歳の誕生日に突然、家を出て行った。

父も母もなぜか、止めようとはしない。以来、家族5人が揃うことはなかった。次々と出される母の手料理を食べるたび、家族として暮らした5年間の思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえる。それは、はじめて家族として食卓を囲んだ記憶だった。兄弟で焼いた焼き芋、父と兄が山で食べたピザ、姉の喉に刺さった焼き魚の小骨。あのとき、家族になれたはずだった。

あの日、父と兄になにがあったのか? 死の寸前、父はなにを思ったのか?
姉が抱えている小さなキズとは? 母が長年隠し続けてきたこととは?
家族として過ごした5年間という時間。それは、短かったのか?長かったのか?

父の死をきっかけに、止まっていた家族の時がゆっくりと動き出す。そして通夜ぶるまいも終盤に差しかかったその時、兄のシュン(窪塚洋介)が15年ぶりに帰ってきた……。

©2019「最初の晩餐」製作委員会

上映情報

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 3/13(金)~3/26(木)
3/13(金)~3/19(木) ①9:40 ②16:40
3/20(金)~3/26(木) ①13:50

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