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©OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

『私のちいさなお葬式』【3/13~】

2020/01/08

2017年/ロシア/100分
監督:ウラジーミル・コット
原題:Karp otmorozhennyy
出演:マリーナ・ネヨーロワ/アリーサ・フレインドリフ/エブゲーニイ・ミローノフ/ナタリヤ・スルコワ/他
配給:エスパース・サロウ

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 3/13(金)~3/26(木)
3/13(金)~3/19(木) ①9:30 ②16:05
3/20(金)~3/26(木) ①9:30 ②15:50

73歳、年金暮らし。それはあまりにも突然の余命宣告・・・。自分の<お葬式計画>に奮闘するエレーナの笑って泣ける物語!!

世界一の超高齢化社会に向かって突き進む現代の日本では、すっかり浸透した感がある“終活”という言葉。誰しも逃れられない死という現実をネガティブに捉えるのではなく、自分らしい最期を迎えるために葬儀や遺言の準備、身のまわりの生前整理をするこの行いは、『死ぬまでにしたい10のこと』(02)、『エンディングノート』(11)、『母の身終い』(12)、『92歳のパリジェンヌ』(15)といった国内外の話題作のテーマになり、人生という長く険しい旅を前向きに見つめ直す機会を観客に提供してきた。

ロシアののどかな片田舎の村から届いた『私のちいさなお葬式』も、そんな“終活映画”の系譜に連なるヒューマン・ドラマ。しかも尊厳死などの物議を醸す問題を扱ったシリアスな社会派映画ではなく、このうえなく元気でチャーミングな老婦人の予想もできない一挙一動が、観る者の頬をふんわりと緩ませ、驚きと感動をもたらしてくれる珠玉作である。

「恋のバカンス」にのせて、ロシアの名女優が贈る母の愛にあらゆる世代の心が強く揺さぶられる。

2017年のモスクワ国際映画祭にて観客賞を受賞した本作は、仕事人間の息子を思いやって自分のお葬式の準備を始める老婦人の物語。しかし文学をこよなく愛し、聡明で自立した主人公のエレーナにはまったく悲壮感がない。自らの足で軽やかに役所や遺体安置所に出向き、棺桶を台車に乗せて自宅に持ち帰ってくるその姿はユーモアとバイタリティに満ちあふれ、思わず目が点になってしまうほど。

さらに気の置けない隣人との友情や元教え子たちとの交流、疎遠だった息子との情愛のドラマは、シニア層の深い共感を誘うとともに、あらゆる世代の観客の心をほっこりとさせるに違いない。エレーナが暮らす木造の家、可愛らしい小物や洋服も要チェックである。

また、劇中ではザ・ピーナッツのヒットナンバー「恋のバカンス」のロシア語カバー・バージョンが印象的に使用されており、この曲はロシアで世代を超えて広く愛されているという。

STORY

村にひとつしかない学校で教職をまっとうし、定年後は慎ましい年金暮らしを送っている73歳のエレーナ(マリーナ・ネヨーロワ)が、病院で突然の余命宣告を受けた。5年に1度しか顔を見せないひとり息子オレク(エヴゲーニー・ミローノフ)を心から愛しているエレーナは、都会で仕事に大忙しの彼に迷惑をかけまいとひとりぼっちでお葬式の準備を開始する。

まずは埋葬許可証を得ようとバスで戸籍登録所を訪れるが、中年の女性職員に「死亡診断書がなければ駄目です」と素っ気なく告げられ、元教え子のセルゲイが勤める遺体安置所へ。

「息子は忙しすぎて、葬儀だのお通夜だの手配できないわ。私はただ、いいお葬式にしたいだけなの」そう事情を説明してセルゲイにこっそり死亡診断書を交付してもらったエレーナは、戸籍登録所での手続きを済ませたのち、葬儀屋で真っ赤な棺を購入する。

翌日、ふたりの墓掘り人を引き連れて森の墓地に出向いたエレーナは、そこに眠る夫の隣に自らの埋葬場所を確保する。隣人のリューダに秘密のお葬式計画を知られたのは誤算だったが、すぐさまエレーナの心情を察したリューダは、ふたりの友人とともにお通夜で振る舞う料理の準備まで手伝ってくれた。リューダらが去った後、生前の夫との思い出の曲をかけながら死化粧を施す。

かくしてすべての段取りを整え終えたエレーナの“完璧なお葬式計画”は想定外の事態へと転がり出すのだった……。

©OOO≪KinoKlaster≫,2017r.

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 3/13(金)~3/26(木)
3/13(金)~3/19(木) ①9:30 ②16:05
3/20(金)~3/26(木) ①9:30 ②15:50

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