『ダラス・バイヤーズクラブ』【5/3~5/30】

2014/05/03

「くたばれ!」と社会は言った。
「くたばるか!」と男はたった一人で戦いを挑んだ。

1985年、アメリカで最も保守的とされるテキサス州で、HIV陽性により余命30日と宣告された男がいた。男の名前はロン・ウッドルーフ。同性愛者でもないのになぜ!?と怒りを周囲にぶつけるロン。『ジャイアンツ』『武器よさらば』などで知られる俳優ロック・ハドソンが実はゲイであり、エイズに冒されたという当時の報道は、驚きと共に、ゲイ=エイズという盲目的な偏見に拍車をかけた。自ら宣告を受けたロンの反応も同じだった。そこから、政府や製薬会社を相手取り、生きるためのロンの闘いが始まる。
主人公ロンに扮したのは、21キロ減量し難役に挑んだ人気俳優マシュー・マコノヒー。ロンをサポートするトランスジェンダーのレイヨンには、監督やミュージシャンとしても活躍し、俳優業から足を洗うと一時宣言していたジャレッド・レト。医師として、体制と個人倫理に挟まれるイブを演じるジェニファー・ガーナーは、彼らの現実と我々の現実の橋渡しに欠かせない“共感”を体現している。

【ストーリー】
男の名前はロン。ロデオと酒と女の日々をおくり、ある日ロデオで賭けをするが、負けると金を払わず逃げ、その日暮らしのトレーラーハウスに戻った瞬間に、膝から崩れ落ちる。病院のベッドで目覚めると、医師が彼に告げた。HIVの陽性反応が出て、余命30日であることを。有名俳優のロック・ハドソンがエイズであることが公表され、同性愛者しかかからない病気、そんな根拠のない噂が蔓延していた時代。同性愛者でもないのになぜ!?と納得できないロンは、図書館で新聞記事を閲覧し、情報を漁る。そして自分はエイズであるという真実がつきつけられる。生きたい欲求にかられた彼は、自分を診察した女性医師イブを訪ね、AZTという未承認の薬を処方してくれるように頼むが、断られる。そこで彼はメキシコへ渡り、毒性の強いAZTではなく、アメリカでは未承認だが効果がみこめる薬を国内に持ち込み、患者たちにさばき始める。彼に慈善の心などなかった。素行が悪く、ゲイ・コミュニティーに嫌悪感を持つロンが、販売ルートを広げるのは難しい。そこで彼は、美しいトランスジェンダーのレイヨンを仲間に引き入れる。日本をはじめ、世界中から仕入れた薬をさばくために考え出したシステムが「ダラス・バイヤーズクラブ」だった。会費を募り、必要な薬を無料で配る。名目的に薬の売買はない。その彼らの前に立ちはだかったのが、AZTを推奨し始めた医師たちと製薬会社に政府。ロンは、弁護士を使い、 “個人の健康のために薬を飲む権利を侵害する”国の動きに対して徹底抗戦の構えをとる。彼を見殺しにしようとする世界に対する戦い。一人の男が、生きる権利のための戦いに挑んでいく。

ダラスポスター
2013年/アメリカ/117分/R15+

監督:ジャン=マルク・バレ
出演:マシュー・マコノヒー/ジャレッド・レト/ジェニファー・ガーナー/他
配給:ファインフィルムズ

上映場所 ホール・ソレイユ(4F)
上映期間 5/3(土)~5/30(金)終了
5/17(土)~5/23(金) 20:25(レイト)
5/24(土)~5/30(金) 20:25(レイト)

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