『陽光桜 YOKO THE CHERRY BLOSSOM』【1/30~】

2015/11/19

桜に秘められた、深い哀しみの実話。
終戦から70年
知られざる偉人・高岡正明の物語が、いま蘇る。

本作『陽光桜-YOKO THE CHERRY BLOSSOM-』は、愛媛県川内町(現在の東温市)で生まれ2001年に92歳で亡くなった「知られざる偉人」高岡正明氏の生涯をモデルに描かれる、感動のヒューマン・ドラマ映画である。

戦時中、軍国教育を行っていた青年学校で教師だった高岡正明は、終戦直後から「わしが教え子たちを戦地に送り込んでしまった」との自責の念に苦しみ続けた。そして、正明は「戦争という、二度とこのような悲惨なことを繰り返してはならない。戦死した教え子たちの鎮魂と、世界恒久平和への願いを託して新しい桜を自分の手で作ろう」と、生涯を賭けた桜の新品種開発を誓う。

正明にとって、その桜は「新しい桜」でなければならなかった。
「厳寒のシベリアで散った子たちもいる。亜熱帯のインドシナ半島で亡くなった子もおる。教え子たちの鎮魂と世界各国への平和のメッセージを託すには、これまでの桜ではいかん。どんな気候でも花を咲かせる、病気にも強い樹勢が良い品種でなければいかんけん」 その挑戦は苦難の連続だった。植物遺伝学上、桜は人工受粉で新たな品種をつくることは「不可能」だと言われていた。しかし、正明は自らの誓いを胸に秘め不屈の精神で試行錯誤を繰り返し、30年後、ついに桜の新品種登録第一号となる「陽光」を生み出す。

【ストーリー】

1974年、愛媛県川内町(現在の東温市)の山間部にある高岡家は、一風変わった主人・高岡正明(笹野高史)と妻・艶子(風祭ゆき)、そして農業高校を卒業して家業の造園や農業をきりまわす長男・正堂(的場浩司)の3人家族。30歳を過ぎた正明は見合いで恵子(宮本真希)と結婚し、いよいよ家業を盛り立てていく責任を背負っていた。だが、正明は商売を息子に任せっきりで、ひたすら自分の趣味の桜づくりに没頭する日々を続けていた。ある日、たまりかねた正堂は父・正明を問い詰めるー「親父!このままじゃウチは破産やけん!なんで、わざわざ山を無駄に使って、カネにもならない桜を作る必要があるんじゃ!」寂しげに沈黙した正明は、静かに戦前の物語を息子に語り始めた。

1940年―戦局を悪化させていた日本。
「神国日本は絶対に戦争に敗けない。お国のために戦ってこい。そしてまたこの桜の木の下で会おう」―当時、地元の青年学校農業科教員だった高岡正明は、そう言って桜咲く校庭から教え子たちを送り出した。

しかし、日本の敗戦。正明の生徒たちも各戦地の最前線で若き命を落とした。
悔悟と自責の念が高岡を苦しめた・・・「わしが死なせた」。
そして正明は農業知識をもとに、桜の新品種作出に一生を捧げる決意をする。

亜熱帯のジャワから極寒のシベリアまで各国で散っていった教え子たちの慰霊のため、どんな気候の地でも花を咲かせる新種の桜を作るのだ。「この忌まわしい戦争を二度と繰り返してはならいという人類平和のメッセージを桜に託して世界に送り届けよう!」正明はそう決意した。

戦争に埋もれた過去を初めて知った息子・正堂と妻・恵子は、その後、正明の生涯をかけた桜づくりを手伝うことになる。鎮魂と世界平和の願いを込めた桜の新品種開発の道は苦難の連続だった。しかし、正明は諦めなかった「わしが背負った罪やけん!あの子たちの為に、この桜だけは咲かせないかんけん!」。そして、高岡正明の決意から30年、その執念は「陽光」という桜の新品種としては種苗登録第一号となる新しい桜を誕生させた!

だが…物語は、それでおわりではなかった。

陽光桜を生んだ高岡正明は、家族さえ想像もしない、大いなる計画を実行しようと動き始めていたのだ…!

poster2 (1)2015年/日本/114分/
監督:高橋玄
出演:笹野高史/的場浩司/宮本真希/長谷直美/野村宏伸 他
配給:グランカフェ・ピクチャーズ

上映場所 ソレイユ2(地下)
上映期間 1/30(土)~2/12(金)
1/30(土)~2/5(金) ①11:50
2/6(土)~2/12(金) ①13:35

[margin_5t](C)GRAND KAFE PICTURES 2015

© 2024 ソレイユ