『ヴェルサイユの宮廷庭師』【2/6~】

2015/12/08

世界一有名な宮殿の〈秘密〉が今明かされる。

ヴェルサイユ庭園で〈舞踏の間〉が生んだ愛と勇気の物語 

フランス国王ルイ14世がその絶頂期の1670年代に造営をスタートさせたヴェルサイユ宮殿。太陽王が、絶大なる栄華の象徴として、絢爛豪華な宮殿以上に膨大な血税と人力を注いだのが、水なき地に運河と優美な噴水をたたえた壮大な庭園だった。そのなかにあって、今回スポットが当てられるのが、〈ロカイユの木立〉との別名を持つ〈舞踏の間〉。音楽隊が奏でるメロディに乗り、太陽王がダンスを舞ったといわれる庭は、硅石とアフリカやマダガスカル産の貝が階段状に積み上げられ、その間を流れる水が滝を形成する野趣溢れる空間。伝統と調和を重んじるル・ノートルの幾何学的なフランス式庭園にあって、有機的色彩の強い〈舞踏の間〉が、実は女性造園家によって造られたものだったとしたら……!?

舞台は、1682年。フランスの田園地方で、造園家という天職を見つけていたサビーヌ・ド・バラの元に、突然、ル・ノートルからの手紙が舞い込む。ヴェルサイユ造園に当たり、今謂うところのコンペ招集。鬘をつけて着飾った男性コンペティターから露骨な性差別を受けるものの、大家ル・ノートルは彼女の可能性に賭け、〈舞踏の間〉造園を任せることに。さらにサビーヌが好む“ほんの少しの無秩序(原題「A Little Chaos」)”に共鳴した師匠ル・ノートルは、やがて彼女と惹かれ合うようになり……。

【ストーリー】

1682年、フランスの田園地方。心に傷を負い、ひとりで生きるサビーヌ・ド・バラ(ケイト・ウィンスレット)は、裕福とはほど遠いながら、造園家という天職を得て、樹木や土と格闘する日々を送っていた。そんな彼女のもとに、時の国王ルイ14世(アラン・リックマン)からの書状が舞い込む。それは王が造営するヴェルサイユ王宮の庭園建設参加を求めたものだった。サビーヌは腹心のメイドが用意したシンプルなドレスに、間に合わせの羽飾り付帽子を被り、庭園建設の責任者ル・ノートルの面接へと向かう。鬘をつけて飾り立てた同業者たちは、サビーヌが女性であることを理由にあからさまな皮肉を口にする。緊張の面持ちで対面したル・ノートルとは意見が対立し、あっという間に面談は終了。落選を覚悟したサビーヌだったが、ル・ノートルは彼女の感性に新しさと可能性を感じ、〈舞踏の間〉建築の任を与える。

poster2 (1)2015年/ イギリス/117分/ PG12
原題:A Little Chaos
監督:アラン・リックマン
出演:ケイト・ウィンスレット/マティアス・スーナールツ/アラン・リックマン/スタンリー・トゥッチ/ヘレン・マックロリー他
配給:KADOKAWA

上映場所 ソレイユ2(地下)
上映期間 2/6(土)~2/19(金)
2/13(土)~2/19(金) ①11:15 ②18:05

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