『そこのみにて光輝く』【6/28~7/18】

2014/06/28

すべての終わり、愛の始まり。

何度も芥川賞候補に挙げられながらも賞に恵まれず、今の日本を予期したような作品群を遺し、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説にして最高傑作が待望の映画化となる。主演の綾野剛がこれまでにも増してソリッドで、けれども儚げな「ゆらぎ」のある存在感で、ひとりの女を愛しぬく主人公・達夫のインナーワールドを豊かに体現。そしてヒロイン千夏には池脇千鶴。情緒溢れる演技で、さらに一歩踏み込んだ「女の芯」をかたちにしている。千夏の弟拓児に菅田将暉。前科者だが、どこまでも無垢なその精神の行方を、快活と刹那が交差する天使のようなたたずまいで見せる。
監督は『オカンの嫁入り』で新藤兼人賞を受賞し高い評価を得てきた呉美保。ざらついた絆の行方を素手で掴まえる硬質な映像文体で、まったく新たな境地に達している。その一方で、この映画作家ならではの優しさがより深化していることに驚かされるだろう。短い函館の夏を舞台に、生きる目的を見失った男と愛を諦めた女との出会い、そして底辺で生きる家族を慈しむような眼差しで描き出す。

【ストーリー】
ある出来事がきっかけに仕事を辞め、目的もなく毎日を過ごしていた佐藤達夫は、ある日パチンコ屋で使い捨てライターをあげたことをきっかけに、粗暴だが人なつこい青年・大城拓児と知り合う。
拓児に誘われるままについていくと、そこは取り残されたように存在している海辺の一軒のバラックだった。
そこで達夫は拓児の姉・千夏と出会う。互いに心惹かれ、二人は距離を縮めていくが、千夏は家族を支えるため、達夫の想像以上に過酷な日常を生きていた。それでも、達夫は千夏への一途な愛を貫こうとする―。

そこのみにてポスター
2014年/日本/120分/R15+

監督:呉美保
原作:佐藤泰志
出演:綾野剛/池脇千鶴/菅田将暉/他
配給:東京テアトル

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 6/28(土)~7/18(金)終了
7/5(土)~7/11(金) ①13:55 ②18:30
7/12(土)~7/16(水)、7/18(金) ①13:25 ②18:00
7/17(木)のみ ①14:05

[margin_5t]©2014 佐藤泰志/「そこのみにて光輝く」製作委員会

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