ウォール街の強欲エリートをぶっつぶせ!
SNSで集結した個人投資家たちの大逆襲!
2021年初頭、アメリカの金融マーケットが激震する前代未聞の大事件が発生した。ネット掲示板に集った小口の個人投資家たちが、時代遅れで倒産間近と囁かれていたゲームストップ社の株をこぞって買いまくり、同社を空売りしていたヘッジファンドに大損害を与えたのだ。アメリカ各地に点在する無力な一般市民がSNSを通じて団結し、強欲なウォール街の大富豪にギャフンと言わせたこの反乱劇は、全米を揺るがす社会現象となり、日本でも大きな反響を呼んだ。
『ソーシャル・ネットワーク』の原作者でもあるベン・メズリックのノンフィクションに基づく本作の背景は、新型コロナのパンデミックによって社会全体が疲弊し、誰もが孤独と将来への不安に苛まれていた2020年~2021年。ネット掲示板の動画配信でゲームストップ社の価値を真摯に訴え続けた主人公キースと、彼の主張に共感して夢を追い求めた人々のジェットコースターな人間模様が、破格のサプライズとユーモア満載で繰り広げられていく。ウォール街のエリートと庶民の途方もない経済格差、投資環境が激変したSNS時代のマネーをめぐる狂騒など、まさしく世界の“今”をパワフルに射抜いた実録エンターテインメントが完成した。
STORY
コロナ禍まっただ中の2020年。米マサチューセッツ州の平凡な会社員キース・ギルは、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていたが、キースは赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被った。やがてSNSに集った無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた……!