全世界20カ国以上で配給され、
圧倒的支持を集める小さな傑作。
一般社会とかけ離れた過酷な環境で育った男・バビーが、多くの人々と出会い、そして音楽に導かれて自分自身を発見する旅。オランダ生まれオーストラリア育ちのロルフ・デ・ヒーア監督が脚本完成までに10年以上の年月を要した本作は、予算や技術などすべてにおいて映画制作の“普通”に囚われない。バビーが生まれて初めて触れる世界を観客が視覚・聴覚でそのまま体験できる手法が採用され、撮影監督に合計32名ものスタッフが代わるがわる参加したほか、「バイノーラルサウンド録音」でバビーの耳に届く音の刺激をリアルに再現するなど、一切妥協のない作品が出来上がった。小さな作品ながらもヴェネチア国際映画祭に出品されると、一夜にして観客を魅了し審査員特別賞ほか全3部門を受賞。その評判は瞬く間に各国へと広がり20ヵ国以上で上映、ノルウェーでは年間興行収入第2位にランクインする大ヒットを記録した。
母親に命じられるがまま、閉じこもって生きてきたバビー。彼が置かれている、目を覆いたくなるほどの悲惨な境遇に不安を抱きながらも、観る者を衝撃的な感動で包み込む、映画史上稀にみる傑作が30年の時を経て遂に日本初公開となる。
STORY
「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす。」そんな母親の教えを信じ、35年間、暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを母親が管理し、ただそれに従うだけの日々を送っていた。ある日、何の前触れもなく“父親”だと名乗る男が帰ってきたことをきっかけに、バビーの人生は動き出す。言葉、音楽、暴力、宗教、美味しいピザ……刺激に満ち溢れた外の世界で、純粋無垢なバビーが大暴走!行く先々で出会う誰もが彼の自由で荒々しいスタイルに巻き込まれていく。