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『トリとロキタ』【6/16~】

2023/04/26

各年代に傑作を生みだしてきたダルデンヌ兄弟が、
2020年代にキャリア35年にして到達した、シンプルかつ強靭な傑作!!

パルムドール大賞と主演女優賞をW受賞した『ロゼッタ』以降、全作品がカンヌのコンペに出品され、世界中で100賞以上を獲得するという、偉業を越えて、もはや奇跡を起こし続けている監督ダルデンヌ兄弟。『トリとロキタ』では彼らの代名詞とも言える、BGMなし、演技未経験の主演俳優、削ぎ落された作劇に加え、先の読めないサスペンスを極め、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を見事受賞している。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、分断が進む世界で、アフリカ、中東、ウクライナと祖国を追われた者はどこで安息を得られるのか。もはや対岸の火事ではなく、いま、世界が直面している、人間の尊厳の在り方を突き付ける。ダルデンヌ作品で初めて、怒りまでをもにじませ、観客の良心を震わせる、シンプルでいて、これまでにない強靭な傑作が誕生した。

トリとロキタ、アフリカからベルギーへ流れ着いた偽りの姉弟。
新天地を目指すふたりは無事に生き抜くことができるのか……。

地中海を渡りヨーロッパへやってきた人々が大勢ベルギーに暮らしている。トリとロキタも同様にベルギーのリエージュへやってきた。トリはまだ子供だがしっかり者。十代後半のロキタは祖国にいる家族のため、ドラッグの運び屋をして金を稼いでいる。偽りの姉弟としてこの街で生きるふたりは、どんなときも一緒だ。年上のロキタは社会からトリを守り、トリはときに不安定になるロキタを支える。偽造ビザを手に入れ、正規の仕事に就くために、ロキタはさらに危険な闇組織の仕事を始める……。他に頼るもののないふたりの温かく強固な絆と、それを断ち切らんとする冷たい世界。彼らを追い詰めるのは麻薬や闇組織なのか、それとも……。
トリを演じたパブロ・シルズ、ロキタを演じたジョエリー・ムブンドゥともに演技初経験ながら、カンヌ国際映画祭でのワールドプレミア以降、各国のメディアが絶賛を贈る素晴らしい演技を見せた。彼らの気持ちに寄り添い、止まることないふたりを追うカメラの運動に、映画の原点を見る。そして、観客はふたりの幸せを祈りながら、固唾をのんで彼らをただ見守るのだ。

 

2022年/ベルギー・フランス合作/89分
監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ/リュック・ダルデンヌ
原題:Tori et Lokita
出演:パブロ・シルズ/ジョエリー・ムブンドゥ/アルバン・ウカイ/ティヒメン・フーファールツ/他
配給:ビターズ・エンド

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 6/16(金)~6/29(木)
6/16(金)~6/22(木) ①10:00 ②17:10
6/23(金)~6/29(木) ①15:25

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