アメリカのパワー炸裂!ミュージカル「キンキーブーツ」を観て。

ついこの間「ブータン 山の教室」について社長ブログにアップしたばかりなのに、また書いてしまった。いつもは筆が進まないくせに今回はどうした事だろう?何か悪い物でも食べたのかしら?頭がおかしくなったのかしら?いえいえそうではありません。前の「セッション」と同じで、あまりに映画が素晴らしくて書かずにはおられなかったのです。

ストーリーは、主人公が父親から経営困難な靴工場を引き継ぎ、悩みながらもちょっと風変わりだが心優しい仲間たちと、工場の再建と従業員を守る術を見つけていくというお話です。この映画の特徴は、よく練られた洒落た脚本と何と言っても圧倒的な歌唱力とダンスのキレです。全編にわたる楽曲はあのポップ界の女王シンディーローパーの作曲であり、貴方のハートを捉えて離さないでしょう。

パフォーマンスに酔いしれながらも途中でクスクス笑え、それでいて知らない間に涙が溜まっている。そしていつの間にか人生の進め方をも教えてくれるそんな映画です。こんな素敵な映画を観られる日本という国は素晴らしいと思いました。因みにキンキー(KINKY)とは聞きなれない単語ですが、“ひねくれた”とか”風変わりな“という意味です。

本作は特別興行で、入場料が3,000円均一の割引サービスは一切ダメという事で御客様には大変申し訳ないと思いましたが、それ以上の価値は十二分にあると思います。現実に観たお客様から「とても良かった。」とお褒めの言葉も頂きますし、何と今日は、「よくぞこの映画を上映してくれた。」と立派なお花まで頂戴いたしました。映画館に来て頂いただけでも有難いのにお花まで頂戴し、本当に嬉しかったですしスタッフ一同誠に恐縮しております。この映画は、松竹の“ブロードウェイシネマシリーズ”の、キラ星の如くあるラインアップの一作ですが、さすが映画界の老舗松竹だけの事はあります。

余談になりますが、私も相当昔に実際ニューヨークのブロードウェイで「キャッツ」の公演を観ました。ところが、成田からの直行便で14時間のフライトの後NYに着き、直ぐに劇場に行ったものですから我々の団体旅行の連中は時差の疲れにより全員が公演途中で寝てしまいました。踊っていたダンサーにすればさぞかしムカついただろうと思います。この映画を観るにつけ、こんなに一所懸命に素晴らしいショウを展開してくれるダンサーや劇団関係者の方々にこの場を借りて心から謝りたいと思います。「その節は本当にごめんなさい。」

それにつけてもアメリカのミュージカルのパワーとセンスは抜群です。早く日本も追いつき追い越せるよう一層の奮起を願わずにはいられません。ちょっとお値段は張りますが、是非ともこの素晴らしい映画をご堪能して頂き、幸せな時間を皆様で過ごしていただければ映画人として本当に嬉しいです。

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