『風をつかまえた少年』【10/18~】

2019/08/18

“電気を起こす風車”で村を救った
14歳の少年の奇跡の実話
ひたむきな姿が学ぶことの大切さを伝えてくれる

2010年に日本でも出版された1冊のノンフィクションが、世界を驚かせ、興奮させた。中等学校を退学になった14歳の少年ウィリアムが、当時人口のわずか2%しか電気を使うことが出来ない、世界で最も貧しい国のひとつアフリカのマラウイで、自分の頭脳と手だけを頼りに電気を起こす風車を作り、自家発電することに成功したのだ。彼は家族と村の人々を救うだけでなく、大学へ進学し、様々な活動を通して2013年にタイム誌の「世界を変える30人」に選ばれるという素晴らしい人生も手に入れた。

この現代の奇跡に感銘を受けた、『それでも夜は明ける』の名優キウェテル・イジョフォーが、10年の歳月をかけて初監督作品として映画化を実現。2019年、サンダンス映画祭を皮切りに、ベルリン国際映画祭でも公式上映され熱い喝采を浴び、NYのプレミア試写会では、国連難民高等弁務官事務所特使も務める、名女優アンジェリーナ・ジョリーからも、愛情に満ちた称賛を贈られた。

学ぶことが、未来を切り開き、人生を豊かにしてくれる。それは子供たちだけではなく、私たちすべての人々が生涯を通して忘れてはならないことなのだ。夢と希望を捨てなければ、どんな人生にも不可能はないと、少年ウィリアムが教えてくれる、感動の実話。

14歳の少年は荒れ果てた土地の真ん中で、
どうやって電気と未来を手に入れたのか?

ウィリアムを演じるのは、ケニアとマラウイで行われたオーディションで、傑出した存在感を放っていた少年、マックスウェル・シンバ。これまで全く演技の経験がないにもかかわらず、アカデミー賞®、ゴールデン・グローブ賞のノミネート経験を誇るキウェテル・イジョフォーに、「なぜあんな自然な演技が出来るのかわからない。本当に感心した」と言わしめた逸材だ。逃げ出したくなるほど険しい道も、絶望するほど高い壁も、好奇心と勇気を武器に変えて次々とクリアしていくウィリアムを、生き生きと演じた。

正直者すぎて失敗ばかりを繰り返してきたが、家族への愛だけは誰にも負けないウィリアムの父トライウェルを、キウェテル・イジョフォーが演じる。無学のために息子の計画を理解できなかった父が、息子への愛を信頼へとつなげる姿が、観る者の心を揺さぶる。さらに、新しい時代を見すえ、子供たちに教育を与える必要性に気付き、時には愛する夫にも厳しい言葉を投げかけるウィリアムの強い母アグネスには、アフリカ系フランス人女優として、初のセザール賞にノミネートされたアイサ・マイガ。

撮影は、究極のリアルを求めて、この驚くけれど本当の話が実際に起こったマラウイで敢行された。壮大な自然の恐ろしさによって荒れ果てた土地が、ウィリアムの風車によって息を吹き返すまでを捉えた撮影監督は、『ターナー、光に愛を求めて』で、アカデミー賞®、英国アカデミー賞にノミネートされたディック・ポープ。生きる力を呼び覚ます雄大な音楽は、『コレラの時代の愛』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたアントニオ・ピントが手がけた。

STORY

2001年、アフリカの最貧国のひとつマラウイを大干ばつが襲う。14歳のウィリアムは飢饉による貧困で学費を払えず通学を断念するが、図書館で一冊の本と出会い、独学で風力発電のできる風車を作り、乾いた畑に水を引くことを思いつく。いまだに祈りで雨を降らせようとする村で、最愛の父でさえウィリアムの言葉に耳を貸さない。
それでも家族を助けたいという彼のまっすぐな想いが、徐々に周りを動かし始める。

 

2018年/イギリス・マラウイ合作/113分
監督:キウェテル・イジョフォー
原題:The Boy Who Harnessed the Wind
出演:マックスウェル・シンバ/キウェテル・イジョフォー/アイサ・マイガ/リリー・バンダ/他
配給:ロングライド

 

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 10/18(金)~10/31(木)
10/18(金)~10/24(木) ①10:00 ②16:55
10/25(金)~10/31(木) ①12:00 ②16:50

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