『ドント・ウォーリー』【7/19~】

亡きロビン・ウィリアムズが映画化を熱望した実在の男の物語

ポートランドの街を、赤い髪をなびかせ、猛スピードで車いすを走らせていたという、なんとも強烈な風刺漫画家ジョン・キャラハン。そんな彼の半生に魅せられた俳優がいた。それは、2014年に他界したロビン・ウィリアムズ(『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97))。そして、キャラハンの自伝” Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot”の映画化権を得ていたウィリアムズから相談を受けていたのが、ポートランドに縁のある監督ガス・ヴァン・サントだった。彼はウィリアムズ亡き後、この自伝をもとに脚本を書き、企画から20年を経た2018年、ついに映画は完成する。

アカデミー賞作品賞、監督賞ノミネートの『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)、『ミルク』(08)、カンヌ国際映画祭パルムドールおよび監督賞を受賞した『エレファント』(03)をはじめとする数々の作品において、人間の繊細さや冷酷さ、可笑しさや痛み、希望や死生観を、登場人物たちのありのままに寄り添って描いてきたガス・ヴァン・サント。そんな彼の “やさしさ”の眼差しがより感じられる、集大成ともいえる映画が誕生した。

ロビン・ウィリアムズからガス・ヴァン・サントヘと受け継がれた情熱の結晶にして、2018年サンダンス映画祭、第68回ベルリン国際映画祭に正式出品された話題作が、ついに日本公開となる。

最高のキャスト、心に訴える驚くべき演技

キャラハン役を熱望していたロビン・ウィリアムズの心を継いだのは、3度のアカデミー賞ノミネート経験を持つ実力派俳優ホアキン・フェニックス(『ザ・マスター』(12))。『誘う女』(95)以来2度目のガス・ヴァン・サント作品への出演となる彼が、可能な限りのリサーチを重ねてキャラハンの仕草から話し方までを体得、人生に迷って絶望を味わった男の奇跡の半生を、その内面に迫る演技で体現する。

そして、事故によって突然、人生が変わってしまったキャラハンの支えとなる、強さと優しさをあわせ持つ恋人アヌー役を演じるのは、輝くばかりの美しさを見せるルーニー・マーラ(『キャロル』(15))。禁酒会の主催者で、キャラハンの人生の師にして友となる、人生経験を積んだ穏やかなドニー役を好演するのは、ジョナ・ヒル(『マネー・ボール』(11))。キャラハンの人生に寄り添う彼らに加え、『ルイスと不思議の時計』(18)のジャック・ブラックが、キャラハンの悲劇のきっかけを作ってしまう飲み仲間のデクスターに扮する。

音楽は、ガス・ヴァン・サント作品の常連、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)、『ミルク』(08)を含む4度のアカデミー賞ノミネート経験のあるダニー・エルフマン。

「弱いほど、強い人間になれるんだ」

救われること、許すこと。絶望のどん底で苦しみもがき、怒りの嵐に翻弄されながらも、過去から自由になり、背を向けていた世界に心を開き、自分自身を許していくキャラハン。四肢麻痺の身体で生きる彼の、アルコール依存症からの回復のプロセスでもあるその歩みを、本作は、強烈で愛おしい、真実味のある人生の物語として提示する。そこには、かけがえのない人たちとの時間、そして、才能を開花させた彼のアーティストとしての業や情熱が、生きていくための力の源として存在する。観る者は、その心の旅を共にしながら、彼が描くタブー知らずの風刺漫画のテイストにも似た、強烈で可笑しくて生き生きとしたキャラハンを、いつのまにか大好きになっていることだろう。

たとえ人生最悪の時にあっても、人は変われる力を秘めている。やさしさと希望の力を信じさせてくれる、ひとりの男の心の旅が、美しい映像とともに心に響く。

 

2018年/アメリカ /113分/PG12
監督:ガス・バン・サント
原題:Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot
出演:ホアキン・フェニックス/ジョナ・ヒル/ルーニー・マーラ/ジャック・ブラック/マーク・ウェバー/他
配給:東京テアトル

 

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 7/19(金)~8/1(木)
7/19(金)~7/25(木) 時間未定
7/26(金)~8/1(木) 時間未定

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