めくるたびにあふれる、真実と愛
物語はアイルランドを舞台に、40年にわたり病院に収容されているある老女の知られざる過去が、1人の医師と1冊の聖書によって明らかにされていくところからはじまる。
1940年代第二次世界大戦時、激動の時代に翻弄されながらも、たった一つの愛を貫いた女性の生き様と長きにわたり封印されてきた衝撃の真実が、現在と過去の時間軸を行き来しながら壮大なスケールで描かれるミステリアスな大河ロマンだ。
主演として若かりしローズを演じたのは、『キャロル』(15)で第68回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、名実共にトップ女優となったルーニー・マーラ。
もう一人の主演である老年のローズを演じたのは、これまでにカンヌ国際映画祭女優賞受賞、アカデミー賞®助演女優賞受賞の功績を持つ、イギリスを代表する大女優ヴァネッサ・レッドグレイヴ。
そのほか、エリック・バナ、テオ・ジェームズ、ジャック・レイナーなど、ベテランから次世代の注目株まで豪華なキャスト陣が脇を固め、この壮大な物語に奥行と深みをもたらしている。
主人公ローズはなぜ長い間病院で過ごしてきたのか、なせ聖書に秘かに日記を書き綴ってきたのか、一体彼女にはどんな過去があるのか――
半世紀のときをこえて徐々に紐解かれる記憶は、我々に思いがけない驚きと胸を震わす感動をもたらしてくれる。
40年間もの長い月日を病院で過ごしてきた老女ローズ。
半世紀にわたって封印されてきた彼女の過去が、
今、1冊の聖書によって紐解かれる――
取り壊しが決まった聖マラキ病院。
転院する患者たちの再診のために病院を訪れた精神科医スティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、病院で40年間もの長い時間を過ごしてきたローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)を看ることになる。
彼女は自分の赤ん坊を殺した罪を背負っていた。
しかしローズは、その罪を否認し続け、自身を本名とは別の「ローズ・マクナルティ」と名乗り続けていた。
グリーン医師は、ローズが大切にしている1冊の聖書の存在を知り、彼女の過去に興味を持ちはじめる。
ローズは何十年にもわたって、聖書のなかに秘かに日記を書き綴っていたのだ。
そして彼女は日記を辿りながら半世紀前の記憶を遡り、グリーン医師を前に自分の人生を語り始める――