ごく普通に見える夫婦。
だがふたりは残酷な事件の被害者と加害者だった-。
原作は「パレード」「悪人」「横道世之介」など、海外でも高い評価をうけている芥川賞作家・吉田修一の長編小説。数々の映画化による原作の力はすでに不動のものだが、今回はその巧みなストーリー展開から「映像化不可能」と言われていた。原作に惚れ込み、メガホンをとったのはベルリン国際映画祭招待作として上映された『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、『まほろ駅前多田便利軒』で熱烈な支持を得ている大森立嗣。原作者が「極限の愛の形を見たような気がした」と語り、監督が「ふたりの、愛のようなものが生まれる瞬間に触れたかった」と語るとおり、灼けつくような男女の緊張感がスクリーンから迫ってくる。
さらにエンディングに流れるのは、椎名林檎が生み出し、真木よう子が歌うという念願のタッグも実現した「幸先坂」。かなこの心情を明かすようでもあり、物語の続きを思わせる余韻を残している。原作、演出、楽曲―最強のコラボレーションで描かれる男と女の謎は、見る者を挑発する。
監督:大森立嗣
出演:真木よう子/大西信満/鈴木杏/他
配給:ファントム・フィルム
10/12(土)~11/1(金)予定
[button style="1" caption="公式サイトはコチラ" link="http://sayonarakeikoku.com/index.html"][/button]
©2013「さよなら渓谷」製作委員会