『園子温という生きもの』【8/6~】

2016/05/10

 比類なき映画監督・園子温。
この珍奇な“生き物”のいまを記録し、未来を語る映画が誕生した。
「情熱大陸」で園子温を追った大島新が一年に渡る長期取材を敢行!
初の長編ドキュメンタリー。

2015年には『新宿スワン』『ラブ&ピース』『リアル鬼ごっこ』『映画 みんな!エスパーだよ!』と4本の新作が公開され、日本で最も多忙な映画監督となった園子温。多くのメディアで数奇な運命をたどった半生が取り上げられ、時には過激な発言が物議を呼ぶ。しかし、それは園子温の一面でしかない。本作で描かれる園子温の“いま”は、新たな映画企画の打ち合わせに忙殺されながら、アトリエで自由奔放な絵をキャンバスに描き、時にはミュージシャンとして破天荒なライブを行い、路上パフォーマンスで警察に事情聴取されながらもアーティストとして独創的な個展を開催し、自宅では妻との時間を過ごす姿だ。そして、4半世紀前に書いた脚本『ひそひそ星』の映画化を自主制作でようやく実現させようとしていた。  2014年10月、『ひそひそ星』がクランクインを迎えた。園はオリジナル脚本の設定を尊重しつつ“いま”映画にするにあたって、福島県富岡町・南相馬・浪江町でロケーションすることを選んだ。『ヒミズ』(12)『希望の国』(12)で震災、原発をいち早く描いてから4年。地元の人々の声に耳を傾け、荒涼とした風景にカメラを向ける園子温は何を思うのか。

2014年に放送された『情熱大陸/映画監督・園子温』(MBS)を演出した大島新が本作を監督。番組は大きな反響を呼んだが、テレビに収まりきらない規格外の園の魅力を描きたいという思いが、大島に『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』(2007)以来となる9年ぶりの映画を撮ることを決意させた。番組放送後の2014年9月から開始された撮影は、2015年9月までの一年にわたって続けられた。これまでテレビ、雑誌で取り上げられることもあった園の密着ドキュメンタリーとは取材期間の長さ、濃密さにおいても一線を画するものになっている。
なお、大島新は父に映画監督・大島渚を持つ。実は園も大島渚とは浅からぬ因縁を持っている。若き日の園が破壊衝動を8mmフィルムに刻みこんだ自主映画を、大島渚は「バンダリズム」(芸術、文化の破壊行為)と評して支持を表明し、いち早く園の才能を認めた。また『部屋 THE ROOM』(93)の公開時に行われた対談では、園の路上パフォーマンス「東京ガガガ」も含めてその活動に惜しみない称賛を送っている。それから23年、『部屋』の原点となる『ひそひそ星』の完成と同時に、大島新が園を主人公にした作品を撮ったのは、まさに奇縁と言えるだろう。

『ヒミズ』で初めて園作品に出演した染谷将太と二階堂ふみは、初対面の強烈な印象と園に寄せる信頼を語り、自主映画時代からつきあいのある田野邉尚人(『別冊映画秘宝』編集長)と、アーティスト活動でコラボレーションするエリイ(Chim↑Pom) は、それぞれの視点から園を語る。そして、主演作『恋の罪』(11)を経て私生活でもパートナーとなった神楽坂恵は、女優として恋人として妻としての立場から回想する。
メディアでは露悪的にふるまうこともある園だが、本作では、ふだんは見せない表情を見せる。絵を描きながら表現して生きることとは何かをエキセントリックに語るかと思えば、妻と暮らす自宅では静かな私生活をうかがわせる。『部屋 THE ROOM』をプロデュースした安岡卓治と久々に再会した園は、何をやっても上手くいかなかった“映画の神様に見捨てられた時代”の悪戦苦闘を穏やかに振り返る。そんな時代に叶わなかった夢の企画『ひそひそ星』を完成させ、園は未来に何を思うのか。
過去があって“いま”がある。長期の取材と証言で構成された本作は “園子温という生きもの”のむきだしの記録である。

68454b90cc25fcbb2016年/日本 /97分/
監督:大島新
出演:園子温/染谷将太/二階堂ふみ/田野辺尚人/安岡卓治 他
配給:日活

上映場所 ソレイユ2(地下)
上映期間 8/6(土)~8/19(金)
8/6(土)~8/12(金) ①17:00
8/13(土)~8/19(金) ①18:05

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