すぐ目の前で、世界が動いていた
『プレシャス』でアカデミー賞®に輝いたリー・ダニエルズ監督が、 ホワイトハウスで7人の大統領に仕えた黒人執事と揺れ動くアメリカ、その時代に翻弄される家族の物語を、実話をベースに描いた、感動のヒューマン・スペクタクル作品。
2008年、バラク・オバマの歴史的快挙に全米が沸いた時と同じくして、「ワシントン・ポスト」紙にある記事が掲載された。
それは「オバマ当選を支えた、ある黒人執事」というタイトルで、1950年代から1980年代にかけて8期の大統領のもとに仕えていたユージン・アレンという人物についてだった。アレンとその妻ヘレンが語る人生には、アメリカの極めて重要な出来事、その瞬間を直接経験した一人の男と、それらを動かしてきた中心にいる男たちを浮き彫りにしていた。
この記事を読んで、ハリウッドを代表するプロデューサー、ローラ・ジスキン(『プリティ・ウーマン』、『恋愛小説家』など)は、広く出資を募った結果、あらゆるジャンルから出資希望者が殺到。結果的に、ハリウッド史上、最も多い41人もの名前がプロデューサーとしてクレジットされることになった。残念ながら、ジスキンは映画の完成を待たずに亡くなってしまったが、その遺志を監督のダニエルズが継ぎ完成したのが本作である。
【ストーリー】
黒人差別が日常で行われていた時代のアメリカ南部。幼いセシル・ゲインズは、両親と綿花畑で小作農として働いていた。しかし、ある事件で親を失い、ハウス・ニガー(家働きの下男)として雇われる事に。「ひとりで生きていく」努力の末、見習いから高級ホテルのボーイになった青年は、その仕事ぶりが認められ、遂にはホワイトハウスの執事となる。
ホワイトハウスの執事として求められるもの、それはその空間の“空気になる”事。国を揺るがす重要な会議に立ち会えば、存在を消して仕事をこなし、黒人として大統領から質問をされれば、「求められる回答」で答え、いつでも忠実に働き続ける。心の中には黒人としての、そして身につけた執事としての“誇り”を持ちながら。その姿が歴代大統領や共に働く仲間の信頼を勝ち取り、さらには世間の【黒人への意識】を変えるきっかけともなっていく。
彼の仕事に理解を示しながら、寂しさを募らせる妻。父の仕事を恥じ、国と戦うため、反政府運動に身を投じる長男。その兄とは反対に、国のために戦う事を選び、ベトナムへ志願する次男。大統領の執事でありながらも、夫であり父であったセシルは、家族と共にその歴史に翻弄されていく。
激動の時代の中、彼が世界の中心・ホワイトハウスで見たものとは?そして人生の最後に流した、涙の理由とは―。
監督:リー・ダニエルズ
出演:フォレスト・ウィテカー/オプラ・ウィンフリー/マライア・キャリー/他
配給:アスミック・エース
上映場所 | ホール・ソレイユ(4F) |
上映期間 | 4/5(土)~5/2(金)終了 |
4/19(土)~4/25(金) | ①11:25 ②18:25 |
4/26(土)~5/2(金) | ①12:10 |
[margin_5t]
©2013, Butler Films, LLC. All Rights Reserved.