『恋人たち』【3/5~】

2015/12/09

「2015年 第89回キネマ旬報ベスト・テン & 個人賞」にて4冠に輝きました。

・第89回キネマ旬報ベスト・テン 第1位『恋人たち』
・監 督 賞  橋口亮輔
・脚 本 賞  橋口亮輔
・新人男優賞  篠原 篤(篠塚アツシ役)

今を生きる全ての人に贈る絶望と再生の物語

淀川長治が「人間のハラワタを掴んで描く」と評した映画監督・橋口亮輔、
名作『ぐるりのこと。』以来7年ぶりの長編。この映画なしに2015年は語れ
ない!

通り魔殺人事件によって妻を失い、橋梁点検の仕事をしながら裁判のため奔走する男、アツシ。そりが合わない姑、自分に関心をもたない夫との平凡な暮しに突如現れた男に心が揺れ動く主婦、瞳子。親友への想いを胸に秘める同性愛者で、完璧主義のエリート弁護士、四ノ宮。不器用だがひたむきに日々を生きる3人の“恋人たち”が、もがき苦しみながらも、人と人とのつながりをとおして、ありふれた日常のかけがえのなさに気づく姿を、『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』で知られる稀代の才能・橋口亮輔は、時折笑いをまじえながら繊細に丁寧に描きだす。どんなに絶望的な世界であっても肯定し、ささやかな希望を胸に再び歩き出す―― 滑稽で、哀しくも愛おしい彼らを見つめる橋口監督のまなざしは、どこまでもやさしく、そして、あたたかい。明日に未来を感じることすら困難な今、私たちすべての人に贈る、絶望と再生の人間ドラマの傑作が誕生した。

【ストーリー】

東京の都心部に張り巡らされた高速道路の下。アツシ(篠原篤)が橋梁のコンクリートに耳をぴたりとつけ、ハンマーでノックしている。機械よりも正確な聴力を持つ彼の仕事は、ノック音の響きで破損場所を探し当てる橋梁点検。健康保険料も支払えないほどに貧しい生活を送る彼には、数年前に愛する妻を通り魔殺人事件で失ったという、つらく重い過去がある。
郊外に住む瞳子(成嶋瞳子)は自分に関心をもたない夫と、そりが合わない姑と3人で暮らしている。同じ弁当屋に勤めるパート仲間と共に皇族の追っかけをすることと、小説や漫画を描いたりすることだけが楽しみだ。ある日パート先にやってくる取引先の男とひょんなことから親しくなり、瞳子の平凡な毎日は刺激に満ちたものとなる。

企業を対象にした弁護士事務所に務める四ノ宮(池田良)は、エリートである自分が他者より優れていることに疑いをもたない完璧主義者。高級マンションで一緒に暮らす同性の恋人への態度も、常に威圧的だ。そんな彼には学生時代から秘かに想いを寄せている男友だちがいるが、ささいな出来事がきっかけで誤解を招いてしまう。

それぞれの“恋人たち”は、失ってはじめて「当たり前の日々」のかけがえのなさに気づいていく―― 。

poster22015年/日本/140分/PG12
監督:橋口亮輔
出演:篠原篤/成嶋瞳子/池田良/光石研/安藤玉恵 他
配給:松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 3/5(土)~3/25(金)
3/5(土)~3/11(金) ①9:00 ②13:45 ③20:30(レイト)
3/12(土)~3/18(金) ①13:35 ②20:10(レイト)
3/19(土)~3/25(金) ①17:15

[margin_5t](C)松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ

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