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『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』【1/8~】

2020/11/15

ザ・バンドの中心メンバー、ロビー・ロバートソンが語る
伝説のバンドの誕生と栄光、そして、解散

2016年、ザ・バンドの中心メンバーだったロビー・ロバートソンがその人生を振り返った「ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春」(日本ではDU BOOKS刊)を出版した。そして、本の出版から3年後に待望の映画化が実現。『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』は19年のトロント映画祭で大きな拍手を持って迎えられた。本では軽快な筆致を見せていたロバートソンが、今度は自身の声で過去のさまざまな出来事を振り返る。カナダのモホークの族居留地で過ごした少年時代。10代の時に音楽の道を志す決意をして、ロカビリー歌手、ロニー・ホーキンスのバンド、ホークスに加入する。そして、60年代半ばのボブ・ディランのバックバンドとしてのツアーの思い出。68年のアルバム・デビュー後に得た名声。やがてバンド内に不穏な空気が流れ始め、5人はそれぞれの道を選択する。音楽界に大きな影響を与え、今も人々の記憶に深く刻み込まれている“唯一無二”のバンド。彼らの誕生と栄光、伝説の「ラスト・ワルツ」の解散コンサートまで、その数奇な軌跡をロバートソンが自らの言葉で語りつくす。すべての音楽ファンに捧げられた感動的なドキュメンタリーが遂に完成した。

ビッグ・ピンクでの日々の中で生まれた美しい兄弟の絆、
ボブ・ディランとの友情

映画はロビー・ロバートソンの回想形式で進むが、彼のコメントだけではなく、すでに他界した3人のザ・バンドのメンバーたちにも配慮した構成になっている。温かいボーカルを聴かせていたドラマーの故リヴォン・ヘルムは、ロバートソンと堅い絆で結ばれながらも、やがては乗り越えがたい溝が生まれる。そんな彼の人間的な魅力が伝わる貴重なインタビューも随所に盛り込まれる。また、やんちゃな雰囲気のギタリストのリック・ダンコ、繊細な性格だったキーボードのリチャード・マニュエルもすでに故人だが、彼らの若き日の姿も映像や写真を通じてよみがえる。哲学者のような風貌のマルチプレイヤー、ガース・ハドソンは映画用にインタビューも撮影されたが、最終的にはアーカイブ映像だけが使用されている。5人は60年代後半から70年代にかけて豊かな自然に恵まれたニューヨーク郊外のウッドストックにあった家、ビッグ・ピンクで兄弟のように仲良く暮らした。ロバートソンが「あまりにも美しい関係だった」と語る5人の絆が過去の映像を通じてよみがえる。また、当時、ウッドストックに住んでいたボブ・ディランとの特別な友情やセッションの様子も描かれ、音楽史上のスリリングな瞬間に触れることもできる。

製作総指揮は『ラスト・ワルツ』のマーティン・スコセッシ監督、
ロン・ハワード率いるイマジン・エンタテインメントが製作

今回で製作総指揮を担当しているのが、ザ・バンドの解散コンサートとらえた傑作『ラスト・ワルツ』のマーティン・スコセッシ監督。彼はコメンテイターとしても出演している。ロックに深い見識を持つ彼は原作となった自伝を「追憶と驚異の書」と呼び、絶賛している。映画には『ラスト・ワルツ』の映像もドラマティックに登場し、バンド解散前の危うい状況が見る人の胸を打つ。監督はカナダのドキュメンタリー畑の出身で、製作時に26歳だったダニエル・ロアー。彼は両親の影響でザ・バンドの音楽に興味を持ち、10代の時に『ラスト・ワルツ』に出会って、彼らのミュージシャン魂にほれ込んだという。若い世代が撮ることで、映画に新鮮で、みずみずしい感覚が生まれている。また、製作会社としてかかわっているのが、ロン・ハワード率いるイマジン・エンタテインメント。近年はドキュメンタリー作りにも力を入れており、ハワード自身も『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK-The Touring Years』(16)等の音楽ドキュメンタリーを監督している。アメリカ映画界のベテランたちと若いカナダの新鋭監督が組むことで世代を超えて心に響く作品となっている。

 

2019年/カナダ・アメリカ合作/101分
監督:ダニエル・ロアー
原題:Once Were Brothers: Robbie Robertson and the Band
出演:ロビー・ロバートソン/リック・ダンコ/レボン・ヘルム/ガース・ハドソン/他
配給:彩プロ

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 1/8(金)~1/21(木)
1/8(金)~1/14(木) ①13:50  ②20:20※レイト
1/15(金)~1/21(木) ①16:55

 

 

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