INTRODUCTION
『クラユカバ』は、塚原重義が原作・脚本・監督を手掛ける
初めての長編アニメーション映画である。
長年にわたり個人映像作家として活動してきた監督は、
2012年に制作した『端ノ向フ』を第66回カンヌ国際映画祭の
SHORT FILM CORNER部門に出品するなど、
精力的に活動を展開してきた。
そして2023年、構想から10年を経て完成した
『クラユカバ』はファンタジア国際映画祭に出品され、
長編アニメーション部門の「観客賞・金賞」を受賞し、
国際的な映画祭で高い評価を集め、
堂々たる日本での凱旋劇場公開が決定した。
主人公・荘太郎役は今「最もチケットの取れない講談師」と言われる
六代目神田伯山が務める。
「はい、大辻探偵社」
紫煙に霞むは淡き夢、街場に煙くは妖しき噂…。
今、世間を惑わす“集団失踪”の怪奇に、探偵・荘太郎が対峙する!
目撃者なし、意図も不明。その足取りに必ず現る“不気味な轍”の正体とは…。
手がかりを求め、探偵は街の地下領域“クラガリ”へと潜り込む。
そこに驀進する黒鐵くろがねの装甲列車と、その指揮官タンネとの邂逅が、
探偵の運命を大きく揺れ動かすのであった…!!