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『独裁者たちのとき』【7/28~】

2023/05/17

圧倒的な映像、震撼する音響と共に描く、全く新しい史劇の誕生!!

深い霞に覆われた色のない廃墟の中で男たちが蠢いている。ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニなど第二次世界大戦時に世界を牛耳っていた独裁者たちだ。煉獄の晩餐が始まると、お互いの悪行を嘲笑、揶揄し、己の陶酔に浸っている。〈地獄〉のようなこの場所で〈天国〉へと続く扉が開くのを待っているのだろうか…
ダンテの「神曲」を彷彿とさせる冥界を舞台に、神の審判を受けるため20世紀の独裁者たちが天国の門を目指し彷徨う姿が、時には滑稽に、時には暴力的にそしてシュールに我々の生きる現代を貫き、未来を予言する。圧倒的な映像、震撼する音響とともに描いた、まったく新しい史劇の誕生!!

アーカイヴ映像から4人の独裁者たちが蘇る─
世界が驚愕した鬼才ソクーロフによる誰も作り得なかった“おとぎ話”!

歴史上まったくあり得ないその映像、親しげに語り合い、笑い合い、罵り合う独裁者たちの姿は、気の遠くなるような量のアーカイヴ素材からのみで構築された。すべて彼らの存命住に撮影された実際の映像が使われているのだ。さらに独裁者たちの語るセリフは、いずれも過去の手記や実際の発言の引用から成っている。そう遠くない過去に死んだ4人を蘇らせ、完成まで6年の歳月を要した本作は、鬼才ソクーロフの近現代史への最大の挑戦作なのである。

STORY

煉獄の廃墟の一室。匂い立つような花に包まれた棺の中、遺体のヨシフ・スターリンが「ブーツがきつい」と目を覚ます。同室には痛みを訴えるキリストが横たわる。「早く父なる神のもとへ行け」というスターリンに、キリストは「皆と同じように列に並んで審判を待つ」と答える。それを皮肉の笑みをこぼしながら上から見下ろすのはアドルフ・ヒトラー。軍服のスターリンを脇からウィンストン・チャーチルが覗いている。「お前はすでに臭い」「お前も臭い」。3人は互いに悪態をつきながら、天国の門に向かう旅に出た。道中でベニート・ムッソリーニが合流。4人は、自らの功績を称えたり互いを罵ったり嘲笑しながら、彷徨うように歩を進める。お喋りが止むことはないが、果たして互いの言葉は聴こえているのだろうか?既に生身の人間ではないからなのか、時に分身が現れ、正装のチャーチル、外套姿のチャーチル、軍服のチャーチルが一堂に会しては、分身同士、互いに「兄弟」と呼び合ったりもする。こうして、天国の門を目指し、煉獄を彷徨う4人の旅が始まったのだが…。

 

2022年/ベルギー・ロシア合作/78分
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
原題:Skazka
出演:アドルフ・ヒトラー/ヨシフ・スターリン/ウィンストン・チャーチル/ベニート・ムッソリーニ/他
配給:パンドラ

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 7/28(金)~8/3(木)
7/28(金)~8/3(木) ①9:15 ②15:25

 

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