あれから30年…
伝説と言われた監督は、なぜ映画を撮らないのか。
2019年、夏。広島先行上映で大ヒットを飛ばした加藤雅也主演、横山雄二企画プロデュース作品『彼女は夢で踊る』は、2020年4月、東京は新宿武蔵野館を皮切りに全国公開され、スマッシュヒットを記録した。地方発信映画が全国への快進撃。映画人を驚かせた。
その先行上映初日、加藤の口から「次は横山雄二監督でもう一本やりましょう」との提案が。しかも、ロケ地は再び広島。そして「俺はヒモ。横山さんはストリップ劇場の館長、これ面白そうじゃない?」そのアイデアをもとに、加藤×横山の東京⇔広島の電話会議が数十回に渡って行われた。そして出来上がったオリジナル作品が昭和テイストたっぷりの『愚か者のブルース』。
松田優作の『探偵物語』や萩原健一の『傷だらけの天使』を彷彿とさせる1980年代の世界観は、令和となった今だからこそ新しいコンテンツとなりそうだ。