3.11からコロナ禍まで
たくさん笑って
たくさん泣いて
こころを紡ぐ
民宿「つなかん」の物語
宮城県、三陸リアス海岸の入江に佇む民宿「唐桑御殿つなかん」。
東日本大震災で被災し、
そこには、これまでもこれからも変わらない《人と人とが思い合い、ともに生きる姿》がありました。
監督は、当時テレビ報道の現場にいた現役ディレクターの風間研一(本作初監督)。語りを菅野夫妻と親交があり、現在も気仙沼に通い続ける俳優の渡辺謙が担当し、音楽を気仙沼出身・仙台在住で、みなと気仙沼大使も務めるジャズピアニスト・岡本優子が書き下ろした。また、糸井重里や伊達みきお(サンドウィッチマン)など、つなかんや気仙沼にゆかりの深い人々も登場。全国ニュースで放送され多くの反響を呼んだ一代さんの物語に新たなシーンを加えた待望の映画化。
STORY
宮城県気仙沼市唐桑半島 鮪立(しびたち)。
美しい入江を見下ろす高台に民宿「唐桑御殿 つなかん」はあります。
100年続く牡蠣の養殖業を営む菅野和享さんと一代さん夫妻は、東日本大震災当時、津波により浸水した自宅を補修し、学生ボランティアの拠点として開放、半年間で延べ500人を受け入れてきました。若者たちに「つなかん」と呼ばれたその場所は夫妻の「皆がいつでも帰ってこられるように」との思いから、2013年の秋に民宿に生まれ変わります。
女将となった一代さんは、自慢の牡蠣やワカメを振る舞い、土地の魅力を自ら発信。そんな「つなかん」に引き寄せられるかのように、次々とこの地に移り住む元ボランティアの若者たち。彼らは海を豊かにする森を育てたり、漁師のための早朝食堂を営んだり、移住者のサポート体制を整えたりと、地域に根ざしたまちづくりに取り組み始めます。
復興のその先を見つめる一代さんと若者たち。そんなある日、海難事故が発生。養殖業を廃業し、閉じこもりがちになった一代さんを思い、全国各地から「つなかん」に集まってくる元ボランティアや仲間たち。涙なみだの時を経て、民宿は再開。いつしか若き移住者たちは新しい命を授かり、地域を担う立場となっていきます。そして、コロナ禍による民宿存続の危機の中で迎えた2021年3月11日。震災から10年という節目を機に、一代さんは大きな一歩を踏み出そうとしていました。
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