小川洋子禁断の小説を、気鋭の映画作家が圧倒的な映像美で映画化!
名も知らぬ、どこか涯ての島に在る、小さな海沿いのホテル。
謎めいた中年男と心に闇を抱えた若い娘。
出会ってはならない2人は、いつしか愛と死の香りに満ちた濃密な時間の淵に堕ちていく…
ロッテルダムや釜山などの国際映画祭で受賞歴のある『黒四角』の奥原浩志監督最新作。小川洋子が禁断のエロスを描写した同名小説を、舞台を台湾の架空の島に変え大胆に映画化。
センシャルな2人の世界を演じきった永瀬正敏、台湾の新人女優・陸夏に加え、菜葉菜、寛一郎、リー・カンションら日台の国際的な俳優たちによる演技のアンサンブルは必見だ。
SYNOPSIS
寂れた海沿いのリゾート地─そこで日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝っているマリは、ある日階上で響き渡る女の悲鳴を聞く。赤いキャミソールのその女は、男の罵声と暴力から逃れようと取り乱している。マリは茫然自失で、ただならぬその状況を静観している。一方で、男の振る舞いに激しく惹かれているもう一人の自分がいて、無意識の中の何かが覚醒していくことにも気づき始めていた。
男は、ロシア文学の翻訳家で、小舟で少し渡った孤島で独りで暮らしているという。住人たちは、彼が過去に起きた殺人事件の真犯人ではないかと、まことしやかに噂した。またマリも、台湾人の父親が不慮の事故死を遂げた過去を持ち、そのオブセッションから立ち直れずにいた。
男とマリの奇妙な巡り合わせは、二人の人生を大きく揺さぶり始める。