ようこそ、美しくも残酷なダークファンタジーの森へ
1883年に出版されたイタリアの作家カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学で、ディズニーによるアニメーションも広く親しまれてきた。現在、ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキスが手掛ける新作映画も進行中だ。しかし誰もが思い浮かべるのは“嘘をつくと鼻が伸びる”有名なエピソードであり、この名著の主人公の実像を知る人は少ない。無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということを。
丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を『ゴモラ』の鬼才マッテオ・ガローネが原作に回帰して、斬新にビジュアライズ。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出した。本国イタリアで公開されるや大ヒットを記録、オスカー候補にも名を連ねた、まさに大人のためのおとぎ話と呼ぶにふさわしい、神秘的で驚きに満ちたダークファンタジーがここに完成した。
あなたはまだ知らない、本当のピノッキオを!
貧しい木工職人のジェペット爺さんが丸太から作った人形が、命を吹き込まれたようにしゃべり始めた。
ピノッキオと名付けられたやんちゃな人形は、ジェペットのもとを飛び出して、森の奥深くへと誘われる。
道中、ターコイズ・ブルーの髪を持つ心優しき妖精の言いつけにも、おしゃべりコオロギの忠告にも全く耳を貸さない。
なおも命からがらの冒険を繰り広げるピノッキオは、はたして「人間の子どもになりたい」という願いを叶えられるのだろうか……。