2019年度台湾映画No.1大ヒット!
第56回金馬奨12部門ノミネート、最優秀新人監督賞を含む
最多5部門受賞
台湾では二・二八事件が起きた1947年以降、戒厳令が敷かれ、蒋介石率いる国民党が反体制派に対して政治的弾圧を行った。国民に相互監視と密告が強制され、多くの人々が投獄、処刑されたのだ。40年も続いたこの時代は〈白色テロ時代〉と呼ばれ、1989年にホウ・シャオシェン監督が『悲情城市』で、1991年にエドワード・ヤン監督が『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』という傑作で描いているが、それ以降はその時代に向き合う映像作家は途切れていた。
そこに旋風のごとく現れたのが、40以上ものVR短編作品が海外の映画祭に出品され、高く評価されたジョン・スー監督だ。台湾人が忘れてはならない負の歴史をストーリーに取り入れるという大胆な発想で大ヒットとなったホラー・ゲームを基に、迫害事件の謎解きと、自由と青春を奪われた若者たちの切ないドラマを交錯させて、2019年度台湾映画No.1大ヒットを記録し、第56回金馬奨12部門ノミネートと最優秀新人監督賞を含む最多5部門受賞を成し遂げた。
ファン・レイシンを演じるのは、14歳で小説家としてデビューしたという恐るべき才能を誇る、『全ては愛のため』のワン・ジン。ウェイ・ジョンティンには、莫大な応募数のオーディションを勝ち抜き、これが映画初出演となる期待の若手俳優ツォン・ジンファ。 作品に込められた深いメッセージ性が昨年1月の台湾総統選挙にも影響を与えたと言われ、メディアやSNSで大騒動を巻き起こしたダーク・ミステリーが、いよいよ日本上陸を果たす!
STORY
放課後の教室で、いつの間にか眠り込んでいた女子学生のファン・レイシン(ワン・ジン)が目を覚ますと、なぜか人の姿が消えて学校はまるで別世界のような奇妙な空気に満ちていた。
校内を一人さ迷うファンは、秘密の読書会のメンバーで想いを寄せる男子学生のウェイ・ジョンティン(ツォン・ジンファ)と出会い、力を合わせて学校から脱出しようとするが、どうしても外へ出ることができない。
廊下の先に、扉の向こうに悪夢のような光景が次々と待ち受けるなか、消えた同級生と先生を探す二人は、政府による暴力的な迫害事件と、その原因を作った密告者の哀しくも恐ろしい真相へ近づいていく-。