戦争の英雄はなぜ30年間も封印されていたのか?
本作は、ベトナム戦争の英雄であるウィリアム・H・ピッツェンバーガーについての実話である。彼は、アメリカ空軍の落下傘救助隊の医療兵として60人以上の兵士たちを献身的に救い、多くの血が流れたベトナム戦争で戦死した。
1966年4月11日の救出作戦で、戦線から発つ最後のヘリコプターで脱出するチャンスがあったにも関わらず、ピッツェンバーガーは残された兵士たちを救うために留まった。激戦の最前線で弾丸を浴びて、仲間たちのために自らの命を犠牲にした。この英雄たる行いを評して、ピッツェンバーガーは一兵士が授かれる最高位の勲章である「名誉勲章」を推薦された。この勲章は、義務を超えた個人の勇敢な行為に対して与えられる。しかし、彼への名誉勲章授与は却下されてしまう。 なぜ、名誉勲章は授与されなかったのか。
なぜ、30年以上もの間、戦友たちは英雄への名誉勲章授与を求め続けたのか。
1999年、30年の時を経て、ペンタゴンのエリート職員スコット・ハフマンが調査を担当することになり、その真実に迫る。
主人公スコット・ハフマンを演じるのはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)においてキャプテン・アメリカの親友バッキー・バーンズ役で人気のセバスチャン・スタン。共演には、『人生はビギナーズ』でアカデミー賞®助演男優賞受賞のクリストファー・プラマー、『蜘蛛女のキス』でアカデミー賞®主演男優賞受賞のウィリアム・ハートらを筆頭に、MCUでニック・フューリー役として重要な役どころを担っているサミュエル・L・ジャクソン、『アポロ13』でアカデミー賞®助演男優賞ノミネートのエド・ハリス、そして、『イージー・ライダー』以来、アメリカを体現してきたレジェンド俳優ピーター・フォンダにとって最後の出演作品となった。
監督は『ファントム/開戦前夜』のトッド・ロビンソン。1999年、別プロジェクトのリサーチ中にウィリアム・ピッツェンバーガーの存在を知り、その勇気ある献身に心を打たれ、リサーチを重ねて脚本を仕上げて自ら監督を務めた。
STORY
1999年、ペンタゴン空軍省の官僚のハフマンは、30年以上も請願されてきたある兵士の名誉勲章授与の精査を行うことになる。1966年のベトナム戦争下、空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガーは敵兵の奇襲を受け孤立した陸軍中隊の救助にヘリで向かうが、あまりにも激しい戦闘のためヘリは降下できなかった。すると彼はその身一つで地上に飛び降り、自らの命は顧みず負傷兵たちを救出していくが、ついに銃弾に倒れてしまう。
戦後、ピッツェンバーガーの両親と戦友タリーは、彼の功績は、名誉勲章授与にふさわしいと何度も軍に働きかけるも却下され、彼の武勲は叶わないままだった。
はじめは気乗りしないハフマンだったが、歴史に埋もれた英雄を知る退役軍人たちの証言を求めてアメリカ各地からベトナムのハノイまで調査を進める。やがて、ピッツェンバーガーの並外れた勇気ある行動を知るに及んで、大きく心を動かされる。そして、彼に名誉勲章が授与されなかった背景に驚くべき陰謀が隠されていたことに気がつくのだった…。