悲劇のトラウマ、前代未聞のスキャンダル、さらされるプライバシー
ポップスターの壮絶な生き様から、いま圧巻のステージが生まれる
13歳の時の映画デビュー作『レオン』によって世界中で大ブレイクを果たし、大ヒットシリーズ『スター・ウォーズ1~3』でスターの座へと上りつめ、『ブラック・スワン』でアカデミー賞®主演女優賞をつかみ取り、今やハリウッドのトップに君臨するナタリー・ポートマン。そんな彼女が“若くして富と名声を手にした”という自身の境遇とも重なるポップスター<セレステ>を、危険なほどアグレッシブかつエモーショナルに振り切って演じ、どんな名女優も未到達の新天地を切り開いた。
物語の始まりは、ミレニアムを迎えた頃のアメリカ。同級生による銃乱射事件に巻き込まれ、生死の間から蘇ったセレステ。皮肉にも姉のエリーと作った犠牲者への追悼曲が異例の大ヒットを記録し、敏腕マネージャーの手で一気にスターダムを駆け上がる。17年後、栄華を極めたセレステだったが、アルコールとスキャンダルにつまずき、活動休止に追いやられる。悪魔に魂を売ってでも、もう一度ステージで輝きたい歌姫は、再起をかけたツアーを企画する。ところがその矢先、セレステの過去を連想させる凄惨な事件が起こり、メディアが騒ぎ始める。フラッシュバックするトラウマにパニックを起こしながらも、セレステはステージへと向かうのだが---。
STORY
時は2000年、アメリカに暮らすセレステは、14歳にして人生の劇的な変化に直面する。同級生による銃乱射事件に巻き込まれ、生死の境をさまよった果てに蘇ったのだ。さらに、姉のエリーと作った犠牲者への追悼曲が国民的大ヒットを記録、敏腕マネージャーと契約して発売したアルバムも注目される。エリーに見守られながら、ヨーロッパでのレコーディング、LAでのMV撮影など、スターへの階段を一気に上っていくセレステ。そんな中、エリーとマネージャーが男女の関係になり、セレステは姉に裏切られたと感じ、大きなショックを受ける。その日以来、姉妹の心は決裂し、セレステの純真無垢な少女時代も終わりを告げるのだった。
時は2017年、31歳になったセレステは、一度は頂点を極めたスターダムから転落していた。何かと世間を騒がせる言動に走り、スキャンダルで炎上し、アルコールに溺れていたのだ。だが、歌への情熱だけは失くしていない。何とか復活を遂げようと、1年間をかけて自身の集大成かつ最高となるツアーを企画。ところが、その初日を前にして思わぬニュースが入る。クロアチアのビーチで銃乱射事件が起こり、犯人全員がセレステの大ヒット曲「ホログラム」のMVで使ったシルバーのマスクを着用していたというのだ。
バッシングを避けるために、記者会見を開くことになるが、事件のトラウマが押し寄せナーバスになるセレステ。そこへ、娘のアルビーが、子育てを任せてきたエリーに連れられて訪ねてくる。セレステは、ストレスをエリーにぶつけ、些細なことで姉を罵倒する。傷ついたエリーは、涙ながらに「今度、私を脅したら、子育ても曲作りも私がしたって暴露する」と訴えるが、セレステは「何を暴いても誰も気にしない時代よ」と平然と言いのけるのだった。
記者会見の席で、何度か危ない発言に流れそうになるが、何とかマネージャーが用意した無難な声明を暗唱するセレステ。だが、個人の取材で、今回のツアーは、数年前に危険運転で相手に重傷を負わせて逮捕されたことからの復活かと問われ、我を失ってしまう。
コンサート会場に到着すると、緊張と恐怖、メディアへの怒りなど様々な感情が爆発してパニックを起こすセレステ。だが、遂にショーが幕を開けると、満員の観客はもちろん、セレステに人生を奪われたエリーさえも興奮と歓喜に包まれる圧倒的なパフォーマンスが始まる---。