『よこがお』【10/11~】

2019/08/14

ある事件をきっかけに〈無実の加害者〉に転落した女
運命を受け入れ、それでも生きていくと決意するまでの
絶望と希望を描くヒューマンサスペンス

ほとばしる才能をカンヌが見逃すはずはなかった。2016年、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞し、世界の映画界を揺るがす嵐の到来を高らかに告げた深田晃司監督だ。同作で毎日映画コンクール女優主演賞を始め多数の賞に輝いた筒井真理子と、自身のオリジナル脚本でさらに深く濃密な“共作”を成し遂げ、全世界渇望の最新作にして衝撃の問題作を完成させた。

リサと名乗るその女は、和道の前に突然現れた。美容師と客として、リサと接していた和道だったが、やがて彼女の不思議な魅力に惹かれていく。リサの本当の名前は市子、かつては周囲から厚く信頼される訪問看護師だった。基子という訪問先の娘で、市子に憧れ以上の感情を抱く者もいた。ところがある日、基子の妹のサキが失踪する。まもなく無事保護されるが、逮捕された容疑者は意外な人物だった。

事件への関与が疑われた市子は、ねじ曲げられた真実と予期せぬ裏切りにより、築き上げた生活のすべてが音を立てて崩れてゆく。葛藤の末、“リサ”となった市子が誓った復讐とは? 和道に近付いた本当の目的は――?

一人の女の二つの異なる“よこがお”を、深田監督が「演技者としての天才的なセンスを持つ」と称える筒井真理子が演じる。市子への想いが本人にも予期せぬ方向へと舵を取っていく基子には、近年『シン・ゴジラ』で高く評価された市川実日子。リサの計画の中で重要な役割を与えられてしまった和道には、『万引き家族』、『斬、』など海外でも高く評価された作品に出演が続く池松壮亮。さらに、須藤蓮、小川未祐などの瑞々しい顔ぶれと、吹越満らベテラン俳優が、それぞれの役が抱える魂の石礫をスクリーンに投げ、ドラマに幾重にも重なる波紋を広げていく。

女子中学生の失踪事件が変えた、女のよこがお

初めて訪れた美容院で、リサは「和道」という美容師を指名した。数日後、和道の自宅付近で待ち伏せ、偶然会ったふりをするリサ。近所だからと連絡先を交換し、和道を見送った彼女が戻ったのは、窓から向かいの彼の部屋が見える安アパートの一室だった――。リサは偽名で、彼女の本当の名前は市子。半年前までは訪問看護師として、その献身的な仕事ぶりで周囲から厚く信頼されていた。なかでも訪問先の大石家の長女・基子には、介護福祉士になるための勉強を見てやっていた。基子が市子に対して、憧れ以上の感情を抱いていたとは思いもせず――。

ある日、基子の妹・サキが行方不明になる。すぐに無事保護されるが、逮捕された犯人は意外な人物だった。この事件との関与を疑われた市子は、ねじまげられた真実と予期せぬ裏切りにより、築き上げた生活のすべてを失ってゆく。自らの運命に復讐するように、市子は“リサ”へと姿を変え、和道に近づいたのだった。果たして彼女が心に誓った復讐とは何なのか――。

 

2019年/日本・フランス合作/111分/PG12
監督:深田晃司
出演:筒井真理子/市川実日子/池松壮亮/須藤蓮/他
配給:KADOKAWA

 

 

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 10/11(金)~10/24(木)
10/11(金)~10/17(木) ①9:50 ②14:25
10/18(金)~10/24(木) ①14:40 ②19:15

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