"明太子"を日本で広めた、
「ふくや」創業者をモデルにした〈明太子〉ヒストリー
普段何気なく食べている〈明太子〉には、知られざる誕生秘話と家族の絆、そして激動の昭和があった─。日本で初めて明太子を製造し、販売した福岡・博多の「ふくや」創業者・川原俊夫。
商標登録も製造法特許も取得せずに、地元同業者に製造方法を教え、博多名物として定着するきっかけを作った男。そんな川原の人生をモデルに戦後の混乱期を乗り越え、経済が復興から成長へとシフトしていく昭和を背景に描く、感動物語が誕生しました。
2013年にテレビ西日本で、地方局制作としては珍しい連続ドラマ形式で放送されて、日本民間放送連盟賞優秀賞、ATP賞ドラマ部門奨励賞、ギャラクシー賞奨励賞を受賞するなど話題を呼び、2015年に続編「めんたいぴりり2」が放送され、その後、2015年に「めんたいぴりり〜博多座版〜」として舞台化もされた、福岡では知らない人はいない「めんたいぴりり」が、ドラマ版同様、博多華丸、富田靖子ダブル主演、全編完全撮り下ろしで、遂に映画化!
博多明太子を夢見た、夫婦の物語
昭和30年代。戦後最大の引揚港でもあった福岡は戦争の傷跡を残したまま、復興を遂げようとしていた。
主人公・海野俊之は焼け跡となっていた中洲の一角に小さな食料品店「ふくのや」を立上げ、妻の千代子と営んでいた。博多の祭り<博多祇園山笠>に情熱を燃やし盛り上げてきた「山のぼせ」でもあった。
一方で俊之には山笠と並んで熱中しているものがあった。それは「めんたいこ」作り。
戦前、日本の統治下でもあった韓国の釜山で生まれ育った俊之は、当時の思い出の味「明卵漬 → ミョンランジョ」をヒントに明太子を作り出し、日々味の改良を重ねていたが、なかなか納得できる味に近づかず苦悩の毎日だった。
そんな時、俊之は息子・健一の同級生、英子の存在を知る。両親をなくし、親戚に引き取られていた彼女は遠足に行く為の新しい靴やリュックサックも買えないというのだ… 「映画 めんたいぴりり」では、ドラマと同様に、戦後の混乱期を乗り越え、経済は復興から成長へとシフトしていく「昭和」という時代の光と影を描きます。