『騒音』【9/19~】

2015/03/17

国民的タレントである関根勤が映画監督に挑んだ。

関根勤は2013年に生誕60年を迎え、芸能生活40周年。 合わせて100年!という「アニーバーサリーである特別な年に映画を作る!」という壮大な目標を掲げた。

本作「騒音」プロジェクトの本格的な始まりは、日活のCS番組「映画ちゃん」で“映画を作る過程を追う番組”という企画から始動した。

大の映画好きとしても知られている関根勤に最初に映画制作の話を持ち掛けた際には、既に具体的な内容の骨子となる「地底人が攻めてきて、地底人に免疫あるオヤジが戦う」という構想があったという。そして 、記念すべき100年に因んで、関根監督がこれまでに感動した様々なものから映画に100のオマージュを盛り込む。そんな思いも込めて映画は作られた。

映画の舞台は、開発地区の騒音に悩む東京都S 区。平和な街に、突如出現した謎の生物の正体は“ 地底人”だった。人々を襲う地底人に戦う術もなく、誰もが諦めかけたその時、地底人に免疫あるオヤジが現れた。彼らは果たしてS区の救世主となれるのか…。

地底人に対する人類の恐怖、近未来を感じさせるSF、地底人と戦うまでに鍛え抜かれるバイオレンス、真面目なのに全編どこかに垣間見えるコメディ、そして、、、さまざまな愛のかたち。一方で、開発地区のS区騒音問題は、現在の環境問題も反映されており、家族や社会から除者扱いされるオヤジたちの哀愁漂う姿は、日本のオヤジの象徴でもある。登場人物の皆がどこか非日常的なのにリアリティに溢れており、エドウッド作品的に低予算でありながら、出演やスタッフの映画愛(関根愛)が作品から滲み出す。それは、今の日本映画界では決して見ることができない、商業的なものに囚われずして挑んだ伸びやかな世界観は、まさに関根勤の頭の中を丸裸にしたようなものを体感する、欲張りすぎるほどの喜怒哀楽の宝庫でもある。

ストーリー

かつて宿場町として栄えたこの街は、大規模な再開発により新たな進化を遂げようとしていた。しかしある夜を境に、平和な街は恐怖に包まれた!区内各所の監視カメラの映像に映っていたのは、手当たり次第に人間を襲い、様々な物を破壊してまわる正体不明の怪物の姿だった。

政府はすぐさま対策本部を設置し情報収集を開始、ほどなくこの未確認生物の正体が「地底人」である事を突き止めた。闇に紛れ、人間の抵抗力を奪う有毒ガスを吐きながら二足歩行で人々を襲う地底人。街はパニックに陥るが、調査を進めていくうち地底人が出没するのは「S区」のみである事が判明。

政府は事態の収拾をS区に押し付け、全国民に対しては「S区以外は安全である」と宣言した。

S区は見捨てられた・・・誰も思い、その運命を受け入れるしかないと諦めかけていたその時、一筋の希望の光が・・・。

地底人に襲われた者の中に、地底人が吐く有毒ガスに耐えられた人間がいたのである!S区長は彼らを集めて戦闘部隊を編成、地底人と徹底抗戦する事を決めた。しかし有毒ガスに耐えられる者たちはなぜか皆、普段家庭や職場で虐げられてきたダサくてしょぼいオヤジたち・・・。戦闘経験はおろか、闘争本能すら欠如した彼らは、想像を絶する猛訓練で鍛え上げられ、短期間で地底人との戦いに投入された。

騒音2014年/日本/103分 監督:関根勤 出演:温水洋一/村松利史/飯尾和樹/岩井ジョニ男/酒井敏也 他 配給:スールキートス  

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 9/19(土)~10/2(金)
 9/19(土)~9/25(金) ①10:00 ②16:35
 9/26(土)~10/2(金) ①17:15

[margin_5t](C)2015 騒音組合

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