『愛して飲んで歌って』【5/16~】

2015/03/11

『夜と霧』から『愛して飲んで歌って』へ。
世界の巨匠が最後に遺したのは、陽気でチャーミングな人間ドラマ。

2014年3月1日、巨星堕つの報せに世界がすすり泣いた。アラン・レネ監督、享年91。アウシュヴィッツ収容所でのホロコーストを告発したドキュメンタリー『夜と霧』(55)で世界に衝撃を与え、『二十四時間の情事』(59)や『去年マリエンバートで』(61)といった傑作で知られる世界の巨匠。『スモーキング/ノースモーキング』(93)以降は、軽妙洒脱なコメディ路線を打ち出し、『恋するシャンソン』(97)などの大ヒット作によって、フランスの国民的監督となった。近年はフランスの新世代監督やスティーヴン・ソダーバーグ、アルフォンソ・キュアロン、クリストファー・ノーランといったハリウッドのヒットメイカーらがレネの影響を公言するなど、世界的評価が一段と高まっていた。
 あ2011年に日本公開された『風にそよぐ草』(09)では、ますます研ぎ澄まされてゆく感性により、もはや不死の人との思いを観る者に植え付けていた。そんな中、最期まで新作に意欲を燃やしていた巨匠の突然の訃報が世界を駆け巡った。ところが巨匠は、肩を落とす私たちになんとも驚くような贈り物を遺していってくれた。それが2014年ベルリン国際映画祭に出品された『愛して飲んで歌って』だ。レネの文学、演劇、音楽、コミックへの造詣の深さをうかがわせ、それらを融合させた軽やかでチャーミングな人間ドラマ。そんな瑞々しいレネの創意と情熱が讃えられて、ベルリン国際映画祭では通常、革新的な若手監督に与えられるアルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)を受賞。年を重ねても、常に新境地を開拓してきたレネに対する最高の賛辞となった。

ストーリー

イギリス、ヨークシャー郊外。ジョルジュ・ライリーはカリスマ的な魅力を持つ教師。
業医をしているコリン(イポリット・ジラルド)とその妻カトリーヌ(サビーヌ・アゼマ)。コリンは生真面目な男で、カトリーヌが若いころにジョルジュの恋人だったことを知る由もない。
リッチなビジネスマンであるジャック(ミシェル・ヴュイエルモーズ)はジョルジュの10代のころからの大親友。妻のタマラ(カロリーヌ・シオル)は良妻賢母で、夫の浮気も知らないふりをしている。
 あジョルジュの元妻であるモニカ(サンドリーヌ・キベルラン)は、彼の八方美人ぶりに耐え切れず夫を捨て、農夫シメオン(アンドレ・デュソリエ)と新しい生活を始めていた。

始まりは、コリンがジョルジュの余命がいくばくもない事実を妻に明かしてしまったことだった。このショッキングなニュースはおしゃべりなカトリーヌによって瞬く間にみんなの秘密となる。
地元の素人演劇一座で4人芝居をすることになっているコリン、カトリーヌ、タマラは、突然降板することになったもう一人の代役にジョルジュを引っ張り出すことに成功。

ジャックはモニカにジョルジュの元に戻って最期を看取ってほしいと懇願し続ける。最初は拒んでいたモニカだが、シメオンとの関係に疑問を感じていたこともあり気持ちが徐々に傾いていく。4人芝居の舞台ではジョルジュとタマラのラブシーンが用意され、リハーサルごとに二人の関係は親密になっていく。

芝居は成功に終わった。
ところが、愛すべき友人ジョルジュの最期の時間を有意義なものにすべく一致団結していた三組の関係は、おかしな方向に向かっていく。
ジョルジュがモニカ、タマラ、キャサリン三人それぞれに最後のバカンスをスペインのテネリフェ島で過ごそうと誘っていたのだ。女たちは次第にその気になり、それを知った男たち三人は不覚にも動揺し右往左往する。
さて、ジョルジュはテネリフェ島へ誰を連れていくことになるのだろうか???

歌って愛して飲んで2014年/フランス/108分

監督:アラン・レネ
出演:サビーヌ・アゼマ/イポリット・ジラルド/カロリーヌ・シオール/ミシェル・ビュイエルモーズ/サンドリーヌ・キベルラン/他
配給:クレストインターナショナル

 上映場所  ソレイユ2(地下)
 上映期間  5/16(土)~5/29(金)
 5/16(土)~5/22(金) ①9:30 ②13:50 ③18:10
 5/23(土)~5/29(金) ①9:10 ②16:15 

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