『薄氷の殺人』【4/25~】

2015/01/28


ベルリン国際映画祭2冠!グランプリ&主演男優賞。アジアの新たな才能ディアオ・イーナンの先鋭的なオリジナリティーに世界が賞賛!

心身共に傷を負った孤独な元刑事を主人公にした『薄氷の殺人』は、一見オーソドックスなミステリー劇として進行しながらも、ジャンル映画の枠には収まりきらない異形のスリルをみなぎらせていく。中国の地方都市を舞台に、雪に覆われた屋外スケート場などの風景を独特のカメラワークで捉え、大胆なリズムの編集を施した映像には、そこはかとない虚無感や緊張感が混在し、観る者の感性を刺激してやまない。ディアオ・イーナン監督自身に刻まれた膨大な映画の記憶、そして経済発展が目覚ましい大都市とはまったく異なる時間が流れる中国北部の現実を見すえた鋭い眼差しが、生々しいリアリティと得体の知れない不条理性が渦巻く斬新なヴィジュアルに結実した。

また主人公ジャンと“宿命の女”ウーが織りなす、危ういまでに魅惑的なラブ・ストーリーからも目が離せない。生きる目的を失って自暴自棄となり、未解決事件の不気味な闇に囚われていく男。すべての被害者と関係を持ちながらも多くを語らず、はかなげな魔性の色気を漂わせる女。そんな決して惹かれ合ってはならない男女が行き着く果てには、いかなる衝撃的な運命が待ち受けているのか。主演は『戦場のレクイエム』『ライジング・ドラゴン』などで活躍するリャオ・ファンと、台湾=フランス合作映画『藍色夏恋』で鮮烈デビューを飾り、今や中華圏を代表するトップ女優へと成長を遂げたグイ・ルンメイ。ふたりが体現する哀愁、官能、狂気をまとった罪深き愛のかたちは、ただならぬ凄みを発散し、観る者の胸をざわめかせ続ける。

ちなみに本作の英語タイトル『BLACK COAL, THIN ICE』は、バラバラ死体の一部が発見される“黒い石炭”と、殺人現場となるスケート場の“薄氷”を意味し、中国語タイトル『白日焔火』は“白昼の花火”と訳される。これらの題名についてイーナン監督は「石炭と氷は現実だ。白昼の花火は現実離れしている。それらは同じコインの裏表なんだ」と語っている。

【ストーリー】

ー1999年・夏ー

中国の華北地方で異様な殺人事件が起こった。6都市にまたがる15ヵ所の石炭工場で、バラバラに切断された男の死体のパーツが相次いで発見されたのだ。なぜか頭部の所在は不明のこの怪事件は、工場の労働者や地元市民の不安を否応なくかき立てていった。  捜査に駆り出された刑事ジャン(リャオ・ファン)は、妻から離婚話を突きつけられて上の空の状態だったが、彼が訪れた工場で血まみれの洋服と身分証明書が見つかり、被害者はリアン・ジージュンと判明。さらに聞き込みの結果、トラック運転手のリウ兄弟が有力な容疑者として浮上する。すかさずジャンを含む刑事4人は美容室に踏み込み、激しく抵抗するリウ兄弟を拘束。ところが思わぬ銃撃戦が勃発し、兄弟とふたりの刑事が死亡。ジャンも銃弾を浴びて病院送りになった。

ー2004年・夏ー

妻に捨てられ、ケガのせいで警察を辞したジャンは、しがない警備員として生計を立てていた。生きる目的を見失って酒浸りの日々を送る彼は、元同僚のワン(ユー・アイレイ)と偶然再会し、聞き捨てならない情報を耳にする。5年前の異様なバラバラ殺人に似たふたつの事件が発生したというのだ。しかも奇妙なことに、殺されたふたりの男はスケート靴を履いた足を切断されており、どちらも5年前の被害者リアンの若き未亡人ウー・ジージェン(グイ・ルンメイ)と親密な関係にあった。これは単なる偶然なのか、それともウーは男を破滅に導く悪女なのか。そしてジャンもまた、はからずも“疑惑の女”に心を奪われていく……。

薄氷の殺人 ポスター2014年/中国・香港 合作/109分/PG12

監督:脚本:ディアオ・イーナン
出演:リャオ・ファン/グイ・ルンメイ/ワン・シュエピン/ワン・ジンチュン
配給:ブロードメディア・スタジオ  

上映場所  ソレイユ2(地下)
上映期間  4/25(土)~5/8(金)
4/25(土)~5/1(金)  ①13:50 ②20:25(レイト)
5/2(土)~5/8(金)  ①11:30 ②18:25

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