INTRODUCTION
2000年からスタートした『TRICK』シリーズや2011年の舞台「テンペスト」など、多くの作品で監督×主演を務めてきた黄金タッグ、堤幸彦監督×仲間由紀恵が約10年ぶりに監督、主演を務めた映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』。主演・仲間由紀恵の故郷である沖縄を舞台に、堤幸彦監督が地元出身の映画監督・平一紘を共同監督に迎え、オール沖縄ロケで撮影された本作。ダンスを通して少年の挑戦と成長、そして家族の絆を描くヒューマンドラマだ。
家計を支えるため、ホテルの清掃とスナックの仕事を掛け持ちするシングルマザー・朱音を仲間由紀恵が演じ、子どものことを大切に思いながらもうまく言葉にできない不器用な母親役で新境地を開拓している。そして、妹の面倒を見ながら、ダンサーを夢見てダンスに打ち込む朱音の息子・踊(よう)を演じるのが、沖縄で実施されたオーディションで、147人の中から選ばれた、2023年に再始動した沖縄アクターズスクール出身のSoul。踊の成長を等身大の演技で瑞々しく体現している。
また、踊を指導するダンススクールの講師を沖縄県出身の松田るか、踊にシーサーの歴史など沖縄の心を説くシーサー職人を同じく沖縄県出身の津嘉山正種が演じ、Soulと同じく沖縄アクターズスクール出身の又吉伶音が踊の妹・舞を、踊が憧れるダンサーのリサを、アソビシステムに所属する沖縄のダンス&ボーカルユニット「JUICYJUICY」の伊波れいりが演じるなど、沖縄ゆかりの実力派とフレッシュなキャストが融合している。
物語の鍵を握る音楽プロデューサーを演じるのがEXILEの橘ケンチ。そして、2024年に『夏目アラタの結婚』や『私にふさわしいホテル』など3作品が公開されるなど、精力的に作品を発表する堤幸彦監督が、仲間の故郷・沖縄ならではの自然体の表情を引き出している。
オール沖縄ロケによる、澄みきった青い海とどこまでも続く広い空の下で躍動する踊が、ダンスと出会い才能を開花させていく中で家族や地元・沖縄への思いに悩みながら成長し、ニライカナイ=理想郷を見つけ出そうとする姿に心が揺さぶられるだろう。
STORY
沖縄で母・朱音や妹・舞と3人で暮らす照屋踊は、ダンススクールで出会ったリサに憧れてダンスを習いはじめる。シングルマザーの朱音は家計のためにホテルの清掃とスナックの仕事を掛け持ちしており、人と関わることが苦手な舞は、いつもスクールの前で兄の姿を見つめていた。やがて踊はリサとペアを組むことになり、その才能を開花させていく。ある日、朱音のもとにある男が訪ねてきて、踊は家の前でその男を目撃する。後日、テレビでダンスオーディションを開催すると発表した音楽プロデューサーのHIROKIが、その男だった。