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『蝶の渡り』【3/21~】

かつて、輝いていた若者たち——その27年後の姿ときたら!!
戦争の痛み、ディアスポラの悲しみ。それでも、笑って生きていく

ソ連からの独立が近づき、希望に満ちた<どんちゃん騒ぎ>で新年を迎える若者たち。しかし、独立はしたものの、喜びは、戦争ですぐに消えてしまう……そして27年後。彼らの姿ときたら!!

笑いあふれるドタバタ的展開を交えながらも、未来に行き詰まり、生き抜くために「渡り」をするジョージア人の姿を蝶に託して。戦争の痛みやディアスポラ(民族離散)の悲しみをも、ジョージア独特の「陽気な悲劇性」で描ききる。悲しいはずなのに明るく祝祭的で、共感と未来への希望が、国を越えて伝わってくる感動作。

ジョージア初のカンヌ映画祭受賞&アカデミー賞ノミネートに輝く
女性監督ナナ・ジョルジャゼ集大成的な傑作!

2022年に日本公開されたラナ・ゴゴベリゼ監督の『金の糸』(2019)の主演で知られるナナ・ジョルジャゼだが、本来は映画監督。1986年の『ロビンソナーダ 私の英国人の祖父』がジョージア初のカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督)賞を受賞し、1996年の『シェフ・イン・ラブ』もジョージア初の米アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。現在に至るまで、数々の国際共同作、国際映画祭受賞作で高く評価され、世界三大映画祭はじめ100以上もの国際映画祭で審査員も務めている、まさに“映画の王国”ジョージアを代表する監督だ。

ジョージア現代絵画やトビリシ青年オーケストラの音楽、
トビリシ、ムツヘタ、トゥシェティ…ロケ地も魅力。

映画の中で、主人公画家コスタの半地下の部屋に飾られた数々の絵画は、無造作に置かれているが、イラクリ・スティゼやメラブ・アブラミシュヴィリら美術館に展示される著名な画家の作品ばかり。また音楽のダト・エヴゲニゼの曲を、ギヤ・カンチェリの名を冠したトビリシ青年オーケストラ(主席指揮者がミリアン・フフナイシュヴィリ)が演奏しているのも聴きどころだ。「ジョージアの母」の像が見えるトビリシの古い街並みや、ムツヘタの修道院、トゥシェティの田園などのロケ地も魅力的で、ジョージアの文化・風景の素晴らしさが堪能できるだろう。

STORY

ジョージア。1991年。ソ連からの独立が近づき、希望に満ちた<どんちゃん騒ぎ>で新年を迎える若者たち。しかし、その夢は叶ったものの、喜びは、新たな戦争ですぐに消えてしまう……そして、27年後。画家コスタは、祖父母の代からの古びた家の半地下に暮らしている。そこに集まるのは、かつての芸術家仲間たち。そこに、コスタの昔の恋人ニナが戻ってきて、コスタの絵を買いにきたアメリカ人コレクターが、なんと彼女に一目惚れ!さぁ、どうなる!?

 

2023年/ジョージア/90分
監督:ナナ・ジョルジャゼ
原題:Peplebis idzulebiti migratsia
出演:ラティ・エラゼ/タマル・タバタゼ/ナティア・ニコライシュビリ/アナ・クルトゥバゼ/他
配給:ムヴィオラ

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 3/21(金)~3/27(木)
3/21(金)~3/27(木) 時間未定

 

 

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