”初めての選挙”で揺れる山の村。銃を巡って巻き起こる大騒動!
2006年、国民に愛された国王の退位により、民主化へと転換を図ることになったブータンで、選挙の実施を目指して模擬選挙が行われることになる。周囲を山に囲まれたウラの村で、この報を聞いた高僧は、なぜか若い僧に銃を手に入れるよう指示する。時を同じくしてアメリカから“幻の銃”を探しにアンティークの銃コレクターがやって来て、村全体を巻き込んで思いがけない騒動が持ち上がる……。
大ヒット作『ブータン 山の教室』に続く、
パオ・チョニン・ドルジ監督待望の2作!
長編映画監督デビュー作の『ブータン 山の教室』(2019)が世界中でサプライズヒット、第94回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされ、ブータン映画初のオスカー候補という歴史的快挙を成し遂げたパオ・チョニン・ドルジ監督、待望の第2作。前作では秘境ともいえる地で、伝統を守りながら生きる人々の暮らしを活写しつつ、“学ぶ”ことによって未来は切り開かれていくのだと示した監督が、今回モティーフに選んだのは「選挙」。初めての選挙によって“変化”を求められ戸惑う村の人々の姿を、前作同様、温かい眼差しと飄々としたユーモアで紡ぎながら、本当の幸せとは何かを、観る者に問いかける。
世界各国の映画祭で愛されて遂に日本に上陸!
アカデミー賞Ⓡ前哨戦と呼ばれる第50回テルライド映画祭でワールドプレミアされるや批評家たちがこぞって大絶賛。「本映画祭全上映作の中で、3本の指に入る傑作」(DEADLINE)、「刺激的で鋭い洞察力に富んだ風刺コメディ」(THE HOLLYWOOD REPORTER)、「素晴らしい!茶目っ気のある批評性」(VARIETY)などと評された。続くトロント国際映画祭、ローマ国際映画祭など世界各国の15以上の映画祭に招かれ、一般観客の投票によって選ばれる観客賞4つを含む6つの賞を受賞。前作『ブータン 山の教室』同様、アカデミー賞Ⓡ国際長編映画部門ブータン代表に選出され、今作ではショートリスト入りを果たした。アメリカの映画批評サイト「ロッテントマト」では批評家によるスコアが94%フレッシュ、一般観客によるスコアが100%と高い満足度を示している。(2024/9/25現在)
STORY
2006年、国王陛下が退位の意向を発表し、ブータンは民主主義体制へと移行する。総選挙で新しいリーダーを選ぶ必要があるが、ブータンでは選挙を実施したことがない。国民の理解促進を図るため、政府は選挙委員をブータン全土に派遣し、4日後に“模擬選挙”の実施を決定する。周囲を山に囲まれたウラ村。山で瞑想修行中のラマのもとを訪れた僧侶のタシは、模擬選挙の報を聞いたラマから「次の満月までに銃を二丁手に入れてほしい」と頼まれる。戸惑うタシに、ラマは「物事を正さねばならん」と話す。時を同じくして、銃コレクターのロンがブータンに到着。ウラ村に昔の貴重な銃があると知り、アメリカから取引にやってきたのだ。ロンは、運転手と通訳を務めるベンジとともに村へ向かう。
一方タシは、村中の家々を尋ね歩き、ペンジョーという村人の家に銃があるという噂を手に入れる。銃を譲ってもらうためペンジョーの家に向かうが、一足先にロンとベンジが訪れていて……。ラマが銃を必要とした理由は? 選挙は、村人たちに幸せをもたらすのか―。