INTRODUCTION
石村嘉成さんは愛媛県新居浜市に生まれ、育ちました。
自閉症と診断されたのは2歳のとき。
「人間の尊厳を保てるよう知識を身に付けさせ、社会性を育み、人から愛される子に育てたい」
嘉成さんの将来を案じ、身を粉にして療育に取り組んだのが母・有希子さんでした。
泣いて抵抗する嘉成さんに、それでも教えが行き届くようにと、心を鬼にして療育の手を止めることはありませんでした。
そこには母の無垢の愛がありました。
三歩進んで二歩下がり、二歩進んでは三歩下がり、一進一退を繰り返しながら母と子の二人三脚は続きました。
しかし――
療育の成果が少しずつ感じられ始めた矢先、石村家を悲劇が襲います。
有希子さんが病に倒れ、40歳の若さで亡くなってしまったのです。
残された嘉成さんはまだ小学5年生。療育は道半ばでした。
「有希子の願いを叶えたい」
療育のバトンは夫の和徳さんが引き継ぎました。
やがて、嘉成さんの奥底に眠っていた絵の才能が目を覚ましたのです。
RSK山陽放送が石村嘉成さんの取材をスタートさせたのは2019年。彼が25歳のときでした。
それから現在に至る彼の活躍は目覚ましいものでした。
画家としての成長はもちろんのこと、当初は「物静かな絵描き」の印象が強かった彼が、会場のファンとふれあうことで磨かれ、人懐っこい、気配りの行き届いた、笑顔を絶やさない、「人から愛されるアーティスト」に変貌してゆきました。
そんな嘉成さんが、ある日泣きました。
会場を埋め尽くしたファンから送られた万雷の拍手に、感極まったのです。
感覚はあっても感情の表現は難しいとされる自閉症。
ファンの熱い思いが嘉成さんの感情を閉じ込めてきた氷の塊を溶かし、解放したのです。
眠っていた「青いライオン」が走り出しました。
STORY
石村嘉成(30)は父 和徳、母 有希子が不妊治療の末に授かった男の子。はじめは「マンマ ワンワン」と言葉を話し始めたが、次第にあやしても笑わず、目を合わせられず、言葉を発することもなくなった。嘉成が2歳の時に診断されたのは〈自閉症〉。子育てに悩む有希子は施設を調べては訪れた。その中で共感した療育方針は、自閉症の分野では〈少数派〉で孤高の療育家が営む施設だった。
2024年/日本/80分/G
監督:三好聡浩/平松咲季
出演:石村嘉成/小林章子/藤原康典/高原幸之介/他
配給:福武観光
上映場所 | ホールソレイユ(4F) |
上映期間 | 11/8(金)~12/12(木) |
11/8(金) | ①11:40 ②17:50※17:50から舞台挨拶を約20分おこなった後、上映開始となります。 |
11/9(土)~11/14(木) | ①11:25 ②17:25 |
11/15(金)~11/16(土)、11/18(月)~11/21(木) | ①9:00 ②15:10 |
11/17(日) | ①9:00 ②15:15 |
11/22(金)~11/28(木) | ①9:15 ②12:55 |
11/29(金)~12/5(木) | ①11:35 |
12/6(金)~12/12(木) | ①10:00 |
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