世界中の映画人が惚れ込んだ
アリーチェ・ロルヴァケル監督最新作
監督は、フェリーニ、ヴィスコンティなどの豊かなイタリア映画史の遺伝子を確かに受け継ぎながら、革新的な作品を発表し続けているアリーチェ・ロルヴァケル。カンヌ国際映画祭において『夏をゆく人々』でグランプリ、『幸福なラザロ』では脚本賞を受賞。マーティン・スコセッシ、ポン・ジュノ、ソフィア・コッポラ、グレタ・ガーウィグ、ギレルモ・デル・トロ、アルフォンソ・キュアロン、ケリー・ライカートらがファンを公言したり、製作のバックアップに名乗りをあげるなど、世界中の映画人がその唯一無二の才能に惚れこんでいる。
ギリシャ神話の悲劇のラブストーリーをモチーフにした
《幻想》を追い求める墓泥棒たちの数奇な物語
80年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う、考古学愛好家のアーサー。彼は紀元前に繁栄した古代エトルリア人の墓をなぜか発見できる特殊能力を持っている。墓泥棒の仲間たちと掘り出した埋葬品を売りさばいては日銭を稼ぐ日々。ある日、稀少な価値を持つ美しい女神像を発見したことで、闇のアート市場をも巻き込んだ騒動に発展していく…。
夢、富、忘れられない愛する人---これは人の果てなき探求を描く物語。最愛の人の影を追うアーサーの姿は、亡くなった妻を生き返らせるために冥界に赴いたギリシャ神話「オルフェウスとエウリュディケ」の悲劇のラブストーリーを想起させる。今作はロルヴァケル監督作品のなかでも最も切なくロマンチックな物語だ。生と死、空想と現実の境目を自由自在に飛翔するマジック・リアリズム。まるで美しいトスカーナの迷宮に踏み込んでいくかのような、めくるめく幻想譚を堪能あれ。そして、愛の幻想を彷徨う男が冒険の果てに見つけたもの。魂の自由を賛美する恍惚のラスト、あなたもきっと心を奪われるに違いない。