『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』【2/15~2/28】

2014/02/15

イタリアはこの日、青春と決別した。

学生運動の波が高まる69年のイタリア。かの有名なミラノの大聖堂ドゥオモの裏にあるフォンターナ広場で、全国農業銀行が何者かによって爆破された。イタリア最大の未解決事件<フォンターナ広場爆破事件>。事件から44年後の今も、その真犯人は明らかにされていない。多くの若者が理想を信じ、世界を変えようとした時代は、この事件で終わった。犯人はいったい誰だったのか?操っていたのは誰だったのか?イタリア政府はすべてを知っていたのではないか? 東西冷戦のさなか、事件を闇に葬った巨大な力の前に、イタリアは青春に決別した。

監督は、大ヒット作『輝ける青春』の名匠マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ。まだ十代の青年だった当時、この現場に居合せ、事件を目撃して以来いつか必ず映画にしたいと願いつづけ、満を持して映画化に取り組んだ。その演出は、全編緊迫感に溢れ、一瞬たりとも見逃せない映像の力はまさに圧倒的。同時に、巨大な力に翻弄されながらも真実を見いだそうとする人間の葛藤、信念、希望、絶望、そして愛を描きり、深い感銘を与える。キャストには、ヴァレリオ・マスタンドレア、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノという脂ののった実力派。ファヴィーノはこの年の俳優賞を独占している。二人の妻を演じる美しきラウラ・キアッティ、ミケーラ・チェスコン、さらに名優オメーロ・アントヌッティ、現代イタリア映画に欠かせないルイージ・ロカーショなど錚々たる役者陣の演技も必見だ。

【ストーリー】
1969年12月12日16時37分。ミラノ。フォンターナ広場にある全国農業銀行が爆破された。死者17人、負傷者88人。ミラノ警察は左翼の犯行を疑い、アナキストたちを次々に連行。彼らのリーダー的存在である鉄道員ピネッリも容疑者とされた。だが現場の指揮をとるカラブレージ警視は、ピネッリの人間性を信頼し、その犯行を簡単には信じられなかった。そして、ある夜、思いがけぬアクシデントが起こる。ピネッリが、取調中に転落死を遂げたのだ。自殺か、事故死か、殺人か。ピネッリの妻は夫の無実を信じ、警察を訴える。カラブレージ警視は裁判でその矢面に立たされながらも、次第に事件の真相に近づいていくが、そこには知ってはならない真実があった……。

フォンターナポスター
2012年/イタリア・フランス合作/129分

監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
原作:パオロ・クッキアレッリ
出演:バレリオ・マスタンドレア/ピエルフランチェスコ・ファビーノ/ミケーラ・チェスコン/他
配給:ムヴィオラ

上映場所 ホール・ソレイユ(4F)
上映期間 2/15(土)~2/28(金)終了
2/15(土)~2/21(金) ①10:00
2/22(土)~2/28(金) ①9:50

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