ミア・ハンセン=ラブ監督の最新作
世界的な人気を誇る俳優レア・セドゥが新境地を開拓!
第66回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞し、今やフランス映画界を代表する存在となったミア・ハンセン=ラブ監督の8作目。自身の経験をもとに“悲しみ”と“喜び”、正反対の状況に直面する一人の女性の心の機微を繊細に描き、“人生讃歌”とも言える上質なヒューマンドラマに仕上げた。中でも光るのが主人公サンドラを演じるレア・セドゥの存在感。彼女の起用について、「人間味のある人物としてカメラで捉えたかった」と監督が語る通り、複雑な心境を見事に表現し、第75回カンヌ国際映画祭にてヨーロッパ・シネマ・レーベルを受賞した。エリック・ロメール監督作品を思わせる陽光や草木の緑など、35ミリフィルムで撮影された温かみのある色彩にも注目だ。
わたしは母親で、娘で、恋人
仕事、子育て、父の介護、そして新たな恋に奔走中
サンドラは、夫を亡くした後、通訳の仕事に就きながら8歳の娘リンを育てるシングルマザー。仕事の合間を縫って、病を患う年老いた父ゲオルグの見舞いも欠かさない。しかし、かつて教師だった父の記憶は無情にも徐々に失われ、自分のことさえも分からなくなっていく。彼女と家族は、父の世話に日々奮闘するが、愛する父の変わりゆく姿を目の当たりにし、サンドラは無力感を覚えていくのだった。そんな中、旧友のクレマンと偶然再会。知的で優しいクレマンと過ごすうち、二人は恋に落ちていくが……。