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『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』【9/22~】

2023/07/19

ヒトラーの命令で監禁された公証人が
1冊のチェス本を武器に命を張った
ナチスとの心理戦に挑む驚愕のサスペンス!

原作はオーストリアの作家、シュテファン・ツヴァイクの「チェスの話」。1933年にヒトラーがドイツの首相に就任し、オーストリアにも反ユダヤ主義が広まったことから、ユダヤ人のツヴァイクは、1934年イギリスへ亡命する。その後、ブラジル、アメリカなどを転々としたツヴァイクが、1942年にペトロポリスで本作を書いたのだが、完成した直後に自殺を選んだために、これが最期の小説となった。ツヴァイク自身と重なる主人公が、極限状況の中、心身を病みながらも、何とか生き延びようとする姿が描かれる。主人公と同じく平和と芸術を深く愛するツヴァイクが、ナチスによる生命と文化の破壊に絶望して亡くなったことから、命をかけてナチスに抗議した書として世界的ベストセラーとなった傑作の映画化が実現した。
監督は、『アイガー北壁』『ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』のフィリップ・シュテルツェル。少年時代に原作と出会って深い感銘を受けたシュテルツェルは、変わるはずはないと信じられていた自由な世界が、驚くほど短い間に簡単にひっくり返されるという物語に、まさに現代の社会状況との共通点を見出し、警告の想いを込めて本作を作り上げた。主人公のヨーゼフを演じるのは、オリヴァー・マスッチ。ドイツで最も敬愛される名優の一人で、『異端児ファスビンダー』で数々の賞を受賞している。また、ダークコメディ『帰ってきたヒトラー』のヒトラー役でも知られ、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』などハリウッド大作でも活躍している。愛する妻と人生を楽しんでいたヨーゼフが、様々の形で踏みにじられる人間の尊厳を取り戻そうとする姿をリアルに演じきった。
ヨーゼフと緊張感あふれる対峙を繰り広げるゲシュタポのベームには、本年度アカデミー賞®4部門受賞という快挙を成し遂げた『西部戦線異状なし』で重要な役を演じ、英国アカデミー賞に輝いたアルブレヒト・シュッフ。インテリジェンスで一見上品な男が、たやすく狂気に転ぶ様を冷徹に体現して、観る者を震撼させる。 ナチスのゲシュタポと囚われたヨーゼフ、ヨーゼフとチェスの世界王者──過去と現在の二つの対決が息もできないほどのスリルに満ちた駆け引きで進むにつれて、冒頭からの伏線が回収され、もう一つの予想もしなかった真実が明かされていく。観る者の心をかき乱す、かつてないヒューマン・サスペンスが誕生した。

STORY

ロッテルダム港を出発し、アメリカへと向かう豪華客船。ヨーゼフ・バルトークは久しぶりに再会した妻と船に乗り込む。かつてウィーンで公証人を務めていたバルトークは、ヒトラー率いるドイツがオーストリアを併合した時にナチスに連行され、彼が管理する貴族の莫大な資産の預金番号を教えろと迫られた。それを拒絶したバルトークは、ホテルに監禁されるという過去を抱えていた。船内ではチェスの大会が開かれ、世界王者が船の乗客全員と戦っていた。船のオーナーにアドバイスを与え、引き分けまで持ち込んだバルトークは、彼から王者との一騎打ちを依頼される。バルトークがチェスに強いのは、監禁中に書物を求めるも無視され、監視の目を潜り抜け盗んだ1冊の本がチェスのルールブックだったのだ。仕方なく熟読を重ねた結果、すべての手を暗唱できるまでになった。その後、バルトークは、どうやってナチスの手から逃れたのか? 王者との白熱の試合の行方と共に、衝撃の真実が明かされる──。

 

2021年/ドイツ/112分
監督:フィリップ・シュテルツェル
原題:Schachnovelle
出演:オリバー・マスッチ/アルブレヒト・シュッフ/ビルギット・ミニヒマイアー/アンドレアス・ルスト/他
配給:キノフィルムズ

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 9/22(金)~9/28(木)
9/22(金)~9/28(木) ①18:45

 

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