深遠かつ静謐にして、圧倒的な【音】がもたらす唯一無二の映像体験
アピチャッポン・ウィーラセタクンの監督・脚本による最新作『MEMORIA メモリア』。『ブリスフリー・ユアーズ』『トロピカル・マラディ』、タイ国史上初のパルムドール受賞作『ブンミおじさんの森』に続き、本作でカンヌ国際映画祭4度目の受賞(審査員賞)となった。南米コロンビアが舞台の本作は、監督が初めてタイ国外で制作した作品。ポン・ジュノ、ルカ・グァダニーノ、ウェス・アンダーソンら名監督とのタッグでも知られるティルダ・スウィントンを主演に迎え、監督自身が患った「頭内爆発音症候群」から着想を経た記憶の旅路が描かれる。第94回アカデミー賞国際長編映画賞コロンビア代表に選出された。
STORY
とある明け方、大きな爆発音に驚き目覚めたジェシカは、その日以来分にしか聞こえない爆発音に悩まされるようになる。姉を訪ねてボゴタを訪れた彼女は、建設中のトンネルから発見された人骨を研究している考古学者のアグネスと親しくなる。アグネスに会いに訪れた発掘現場の近くの町で、ジェシカは魚の鱗取り職人のエルナンと出会い、川のほとりで思い出を語り合う。一日の終わりに、ジェシカは目の醒めるような感覚に襲われる。
Photo: Sandro Kopp (C) Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF-Arte and Piano, 2021