2大オスカー俳優が演じる本年最高の感動作
病状が進むなか、安楽死の選択をした母を看取るために家族が集まった最後の週末。スーザン・サランドンとケイト・ウィンスレットというアカデミー賞受賞2大女優が初共演した本作は、母の決意によって残された家族の生き方を考えさせてくれる濃密なヒューマンドラマである。
わだかまりや自分の思いが一気にあふれ出し、大きな秘密を共有することになる“家族”を演じる顔ぶれもまた実力派揃い。サランドン演じる気丈なリリーを医師としても支える夫に、サム・ニール。ウィンスレット演じる生真面目な長女と反目し、母の愛にすがる次女にミア・ワシコウスカ。リリーの親友リズを舞台女優としても評価の高いリンゼイ・ダンカンが演じている。さらには長女の夫にはレイン・ウィルソン、次女の恋人にはベックス・テイラー=クラウスと個性的な顔ぶれが集い、長女の息子を演じる新鋭アンソン・ブーンも輝きを放っている。
ビレ・アウグスト監督によるデンマーク映画『サイレント・ハート』を、その脚本家クリスチャン・トープ自身がアメリカでの映画化に向けて脚色。『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』のロジャー・ミッシェル監督が、静謐さの中に時にユーモアを交えながら、秘密を共有する家族の物語を紡ぎ出した。海辺の家で8人の登場人物だけで繰り広げられる物語が、深く静かに心に刻まれる映画だ。
母の決意が、私を変える。
ある週末、医師のポールとその妻リリーが暮らす瀟洒な海辺の家に娘たちが集まってくる。病が進行し、次第に体の自由が効かなくなっているリリーは安楽死する決意をしており、家族と最後の時間を一緒に過ごそうとしていた。長女ジェニファーは母の決意を受け入れているものの、やはりどこか落ち着かず、夫マイケルの行動に苛立ちがち。家族だけで過ごすはずの週末にリリーの親友リズがいることにも納得がいかない。詳しい事情を知らなかった15歳の息子ジョナサンも、この訪問の意味を知ることに。
長らく連絡が取れなかった次女アナも、くっついたり離れたりを繰り返している恋人クリスと共にやってくるが、姉と違い、母の決意を受け入れられておらず、ジェニファーと衝突を繰り返す。
大きな秘密を共有する家族がともに週末を過ごすなか、それぞれが抱えていた秘密も浮かびあがりジェニファーとアンナの想いは揺れ動き、リリーの決意を覆そうと試みる…。